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「あんなやつ、死んで当然だったんだ」





トドメとでも言うように甲斐くんの言葉が大きく響き、何かが刺さって

一瞬、自分でも顔が歪んだのがわかった





「ふざけんな…」



「…あ?」



「ふざけんじゃねぇ!!」





遂に茅野さんが何かが破裂したようにキレて、机を倒しながら甲斐くんの元に走って

膝蹴りをした


怒りなのか、悲しみなのか、それとも両方か

茅野さんは涙で顔が濡れていた





「あんた達に何が分かんの!?澪奈の、何が分かんの!?

澪奈はいつも凛としてて、結局薬 物なんてやってなかったし!
なのに情報に踊らされて彼女を追い詰めたのあんた達じゃない!!」





やっぱり茅野さんは疑ってたんだ

あの情報が、本当に正しいものなのか。



この剣幕に呑まれて、みんな唖然とする





「何で死んでまで澪奈が悪口言われなきゃいけないのっ、

許せない…絶対許せない!!


けど、一番許せないのは私だ…

私は…澪奈を被写体としてしか見てなかった。
先生の言う通り、澪奈が手紙を書いたのはちゃんと意味があった…」





そう言って取り出すのは、その手紙

大事そうに、ゆっくりと広げた





「“さくらとは友達になれない”…
滲んでるの…“なれない”の文字が、澪奈の涙で滲んでるの…」





嘘を書くのが苦しかったんだろうなぁ

景山は、優しい子だから





「手紙を書いたのはきっと、違うんだよって伝えたかったから…
ほんとはずっと友達だよって伝えたかったから…

私はそれに気付こうとしなかった。
気付かないフリをした…

怖かったから。
私も澪奈みたいに、みんなに無視されるのが怖かったから…

私は、澪奈のSOSを踏みにじった…


澪奈が自 殺したのは、私のせい。

私のせいで澪奈は命を絶った…」





その後に小さく呟いた謝罪は、きっと景山に届いてると思う





「それがお前の答えか。

お前のせいで、景山澪奈は死んだ。そうだな?」



「はい」





でも、彼女のせいで景山が死んだとは私にはどうしても思えなかった


自信を持って答える茅野さんのせいとは、

到底、思えなかった



でもクラスの人達は答えがそうであって欲しいと願うように、先生の出す言葉を待っていた









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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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