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2人が近くに寄るとアルスラーンの肩にはアズライールがいた。

カナリア「どうしたの?また、何か考え事をしているのでしょう」
カナリアの問い掛けに、アルスラーンは苦笑いをした。
カナリアはアルスラーンの隣に座る。
アズライールがカナリアを見て、小さく鳴いた。
アル「……色々、考えていたのだ。バフマンが約束してくれた内容について、とか」
ペシャワールを離れる際に、バフマンがアルスラーンと話しているのをカナリアだけではなくダリューンたちも聞いていた。

その内容とは、『王太子殿下…この戦が終わってペシャワールの城塞に戻れましたならば、この老いぼれめが存じ上げていることを全て…全てお話し申し上げます。それまで…どうか猶予を……』ということである。

アル「カナリア姉上、私は別に悟り切っている訳ではない。だが、バフマンがいったい何を語るのか、それを知りたい気持ちと知りたくない気持ちが私の中で葛藤しているのだ」
カナリアはアルスラーンを見た。
アルスラーンの眼差しは、不安に揺れている。
昨年の末の話、ヒルメスがアルスラーンの前に直接現れた時の話だ。


バフマン『そ、その方を…殺せば…っ…パルス王家、の…ッ……正統なる王位継承者が……絶えてしまう……っ…殺してはならぬ!!』


確かにヒルメスは、パルス王家の正統な血を引いている存在。
でもそれは、アルスラーンとて同じ筈だ。
アルスラーンとカナリアはアンドラゴラスとタハミーネとの間に生まれた子どもである。
アル「カナリア姉上、私はいったい何者なのだ、私は…誰なんだ?」
アルスラーンは少しばかり混乱しているようだ。
カナリアの肩を頼りなく掴む手が震えている。
それは寒さからではないことは誰でもわかるだろう。
カナリア「アルスラーン。よく、お聞き。そのような事を今深く考えたとしても答えは出ない」
カナリア「ナルサスが言っていたの、充分な知識を持たずに自分1人の考えに落ち込んでも、正しい答えは得られない…って…」
カナリアはそのままアルスラーンを抱き締めた。
アズライールが多少驚いたようだったけれど、構わずカナリアはアルスラーンの背中を撫でる。

カナリア「だから、バフマンが全てを告白してくるまで、待ちなさい。全てはそれからよ。そうしたら、私も一緒に悩んだりできるから」
今度はカナリアが頭を撫でると、アルスラーンは小さく身体を震わせた。

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サヤノ - 戦象部隊の戦いの後では恐るべき神の定められし神前決闘に気をつけて書いて下さい! (2017年6月13日 20時) (レス) id: bd4916d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
- 何度読んでも面白いです!続きが待ちきれないです!更新頑張ってください! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 1b13281dea (このIDを非表示/違反報告)
- もう続きは書かないのですが?続きが気になります!まだ、更新する予定があるのなら、楽しみに待ってます!!頑張ってください! (2017年1月18日 19時) (レス) id: 1b13281dea (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが気になります!いくらでも待つので更新頑張ってください! (2016年10月20日 23時) (レス) id: 1b13281dea (このIDを非表示/違反報告)
奏で(プロフ) - イヴィさん» コメント、ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年7月10日 17時) (レス) id: 13ae30a7f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏で x他2人 | 作成日時:2015年10月23日 14時

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