あるカルデアの日常２【Fate/GrandOrder】

56話 ページ6

一方、エミヤとオムライスを作っていた樹はというと、体に異変を感じていた。


「なんか…体が暑い気がする…んだけど」


完成と同時にくる眩暈。
この正体がなにかは不明であるが、眩暈の直前、笑みを浮かべたエミヤをみた。


嗚呼…やっぱり、嫌な予感がしたんだよ…うますぎたんだって生チョコ(アレ)…


一種の魔力の暴走なのか…また他に原因があるのか、ぽてっというかわいい音が厨房に響けば
尻餅をつく樹。

いつもよりも低い視界に何事かとあたりを見回すが…


「いってぇ…え？うわっ、なんだこれ！声がへんなんだけど！！」


お尻をさすり立ち上がれば、どうやら自分が小学生サイズまで小さくなっていることに気づく。
"あー"と声をだし確かめてみるも…うん、やっぱり小さくなったようだ。

はぁと溜息をこぼせば、こちらをガン見するエミヤと視線を通わせる。
無性にみられてる気が…。

「とりあえず…犯人はなんとなくよそうはつくな…まずはルイスだ、ルイス。あいつがいちばんあやしい！」


いつもより足取りがおぼつかないながらも、厨房の角を曲がれば突撃する。
いつもなら大丈夫な衝撃も小学生だからか、いとも簡単に尻餅をつく。

「ふわあ！いつきもやっぱり小さくなってるーー！ちびいつきだー！」
「つばき？！」
「なつかしい！しょうがくせいサイズだー！」


にこりと笑った笑顔が懐かしい。

「っていうか…つばき、そのふくどうした？」


違和感がなさすぎて気づかなかったけど、サイズのあった服をきてる椿。
おそらくルイスが投影したのだろう…ということはやっぱりあいつだ。


「所長とルイスは？」
「ふたりともちいさくなってるよー！ちいさくなっても、"えいこくしんし"だけどねー！」
「は？！ルイスもちいさくなってるのかよ！」

「それどころか、月華さんとノアもちいさくなってるー！ノアなんて園児サイズだよ、さまみろってかんじー！」



…ということは思い当たる犯人は決まってる。

思い出せば、簡単な話だった。


アルトリアを追い回すギルに、少し背が縮んだアルトリア…



「あいつ…おれ、ギルさがしてくる…！」
「いつき？！」


と、椿の横を抜けて先程座っていた席まで戻れば、見慣れない姿のルイスと所長と目が合う。


だけど、あの目は…知ってる。
やばい。高校生でさえ"標的(ターゲット)"なら小学生なんて大好物じゃねぇか…！




ーー
湊

続きます

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