detective WEST Ⅱ (ページ4)

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黄side

ふわふわと意識が浮上する感覚とともに、ゆっくりと目を開ける。
薄らと開いた目に飛び込む白い天井と蛍光灯。
眩しくて思わず数回瞬きをすると、「淳太くん！？」と泣きそうな声が聞こえてきた。

黄「…照史？」

橙「淳太くん、聞こえる？」

心配と不安で泣きそうな表情の照史が俺を覗き込む。
問いかけに頷くと、「良かったぁ、、」としゃがみ込んだ。

緑「淳太、何があったか覚えてる？」

照史の背中を優しく擦りながら神ちゃんが尋ねる。

久しぶりにあった知人の相談に乗っていたこと。事務所に帰るため歩いていたら後ろから誰かにつけられていたこと。神ちゃんに確認してもらおうとした瞬間、後ろから刺されたこと。順を追って説明すると、神ちゃんは納得したように頷いた。

緑「犯人はさっき逮捕されたから安心して。淳太、搬送された時出血が多くて危ない状態やって言われてたから、無事で良かった」

橙「今他の皆も向かってるらしいから、意識戻ったって連絡せなな」

涙を滲ませながら心の底から安堵した表情を見せる二人に、酷く心配をかけてしまったことを悟り申し訳なくなる。

その後も半泣き状態で病室に駆け込んできた望をはじめ、あらゆる方面に心配や迷惑をかけてしまったことに罪悪感を感じたけど、普段はイジってきたりだる絡みしてくる事務所の面々が本気で心配して大人しく接してきたから、たまにはこんなのも悪くないなと思ってみたり。(刺されるのはもうごめんやけど)

後から聞いた話によると、俺を刺した犯人は花ちゃんの例の元彼。職場先で待ち伏せした後逃げた花ちゃんを追いかけていると、コーヒーショップで俺と話す所を目撃し、そのまま家まで送り届けたのを見て、俺を花ちゃんの新しい彼氏やと勘違いしたらしい。

よく「女の嫉妬は怖い」って話は聞くけど、恋愛が絡むと男の嫉妬も恐ろしいもんやな、と実感した。

『嫉妬の刃』/Fin