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緑「っしげ、」
西日が傾くオレンジ色の部屋。
荒い呼吸も、震える背中も、何とか助けてあげたいのに俺は何ひとつしてやる事が出来ない。
電話越しに何やら伝えるシゲの声に頷く神ちゃん。
俺がどれだけ背中をさすっても、大丈夫だと声をかけても一向に治まる様子を見せなかった発作は、シゲと少しばかり会話を交わしただけでみるみるうちに落ち着いていった。
神ちゃんにとって、シゲの声は魔法だ。
スマホから漏れるシゲの言葉は、『神ちゃん大丈夫やで。落ち着いて、俺もおるから』と至ってシンプルな内容で、俺がさっきから神ちゃんにかけた言葉と殆ど同じ。
それなのに、こんなにも効果が違うのは、神ちゃんにとってシゲが特別だからか。
俺らが出会うずっと前から神ちゃんの力を理解して支えてきたシゲ。
二人の過去を詳しく聞いた事は無いけど、きっと色んな苦労を一緒に乗り越えてきたに違いない。
＿＿＿俺もいつか、なれるかな。
神ちゃんの特効薬に。シゲが居なくても発作を鎮められる存在に。
神ちゃんの過去も能力も発作も全部ひっくるめて一緒に背負える存在に。
今回みたいに、シゲが傍におらん時に発作が起こるかもしれん。その時シゲが電話に出れん状態にあるかもしれん。
そんな時でも神ちゃんを素早く落ち着かせてあげたい。
もっと神ちゃんの心に近づきたい。頼って貰える存在になりたい。
まずは自分の感情のコントロールからやな。
シゲのおかげで先程とは打って変わって穏やかな背中に向かって、俺はそっと誓いを立てた。
『俺にも一緒に背負わせて』/Fin
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
皆様お久しぶりです。
探偵パロ、続編もご覧頂きありがとうございます。
いいねや高評価、いつも励みになっております。
お知らせというほどのものでは無いのですが、実はこの作品ネタ切れしてしまいまして、、汗
次回更新までしばらくお時間を頂きます。
また、もしお話のアイデアやリクエストがあれば是非参考にさせて頂きたいのでコメントまたは以下のURL(お題箱)に送っていただけると嬉しいです。
https://odaibako.net/u/th__hr7
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作者名：Haru | 作成日時：2024年2月11日 22時
