detective WEST Ⅱ (ページ15)

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黄「調べたけど、神ちゃんが言ってた通りやったよ」

蘭さんが帰った後、応接室に入って来た淳太は予想通りの調査結果を口にする。

黄「神ちゃんの言う通り、病院に定期的に通ってたみたい。実家に持って帰ってる可能性もあるけど、純さんの自宅調べたら診断書なり何かしら残ってるんちゃうかな」

赤「やっぱりそうか。神ちゃん、明日蘭さんにお願いして純さん家行こか」

俺が立てた仮説は、純さんが何らかの病気を抱えていたんやないか、というもの。
もしも自分が病気になったら、という問いかけにそれでも一緒にいると答えた蘭さん。もしその病気が治らないものやったら、日常生活に大きな支障を来すものやったら。純さんは蘭さんのことを愛しているからこそ、彼女の人生を自分が縛り付けないために死を選んだのかもしれない。

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蘭さんに合鍵を借りてシゲと二人でやって来たのは、純さんが住んでいたアパートの一室。純さんが亡くなってから、蘭さんは一度だけ自死の理由を探しに来たが、二人の思い出が詰まった空間に辛くなって長居は出来なかったらしい。

赤「お邪魔します」

シゲに続いて、リビングに足を踏み入れる。
蘭さん曰く、同棲はしてなかったものの、純さんの家で過ごす時間は圧倒的に多く半同棲のような状態やったそう。
それは、この部屋に入った瞬間に分かった。

二つセットで棚に仕舞われた食器類。
テレビ台に飾られた写真立て。
よく蘭さんのリクエストで弾き語りをしていたというギター。

どれもこれもが二人の楽しかった思い出の影を残したまま静かに部屋に鎮座していた。