detective WEST Ⅱ (ページ11)

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恋人の自死を調査してほしい、と今にも泣きそうな表情で訪ねてきた依頼主は24歳の女性やった。

赤「詳しく聞かせてもらってもいいですか」

加藤蘭さん、24歳のOL。
高校生の頃から７年間交際していた彼氏である佐々木純さんが先日、実家で首を吊って亡くなった。
二人の関係は至極円満で、佐々木さんが亡くなる前日も二人は一緒に過ごしていたらしい。

赤「亡くなる前日、佐々木さんに変わった様子は？」

シゲの問いかけに加藤さんは首を振る。
その日は休日で、二人は佐々木さんの家でいつも通り穏やかな時間を過ごしていたと言う。

主に応対を進めるシゲに同席して加藤さんの様子を眺める。
彼女を取り巻く感情は、強い悲しみを表したどんよりとした色をしている。
シゲの質問に対する答えにも、嘘の色は全く見受けられない。

赤「佐々木さんのご家族とは何か話しましたか？」

「自死の原因に心当たりがあるかどうか、純が何か悩んでなかったか、彼のお母さんに聞きました」

赤「お母様は何て？」

「……あの子は嘘がつけないから、と。どういう意味か聞いてもそれ以上は何も教えてくれなくて」

加藤さんは膝の上に重ねた両手を震わせながらぎゅっと握りしめた。

「……私が知るべき事じゃ無いのかもしれないんですけど、このままじゃ私受け入れられなくて。……お願いします、どんな事でも知りたいんです」

深々と頭を下げた加藤さんに、力強くシゲが頷く。

赤「出来る限り調べてみます。ご協力よろしくお願いします」