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「A、Aっ」
柱の影に隠れて、
小さく手招きしていたのはカミちゃんだった。
「リュウセイに頼まれた。…行くんやな、シゲんとこ」
「うん」
力強く頷けば
彼も頷き、案内するでと私の前を歩く。
「王さまの生誕パーティーってこともあって今日は警備が手薄やし、リュウセイがいらん騎士ら全員駆り出してくれてるから人はおらんよ」
早足で廊下を歩く。
早く会いたい、愛する人に。
だが、なぜか
きゅうっと胸の奥が締め付けられる。
「ここやで」
大きな扉の前、
鍵が厳重にかけられたそこにダイキさんはいるらしい。
「ありがとう、カミちゃん」
「いいえ。俺、2人には幸せになって欲しいんやもん」
えへへ、と笑うとカミちゃんは私の頭を撫でた。
「シゲのこと、よろしく頼むな」
「っ、うんっ」
「ほな、俺は行くわ」
行こうとした瞬間の顔、
見えちゃったよ。
ごめんなさいカミちゃん。
つーっとカミちゃんの頰には涙が流れていて、
それがなぜかも全部分かっちゃったよ。
祝福なんて嘘だよね。
「ありが、とうっ…カミちゃんッ…」
扉の前で歯を食いしばった。
カミちゃんのためにも、
この扉を開けなくちゃいけない。
「ふぅ…、よし」
心を決めて、
私は鍵を差し込んだ。
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あのん♪ - あの『俺のものになるまで』のパスワードを教えてほしいんですが大丈夫ですか? (2017年5月26日 19時) (レス) id: b358aa1a64 (このIDを非表示/違反報告)
あい - そーですか、、、、。 (2017年3月18日 23時) (レス) id: 6892ebfcfa (このIDを非表示/違反報告)
お調子者(プロフ) - あいさん» 規制がかかっていますので、18歳未満の方はご覧頂けません…。登録してある方で、18歳以上の方はご覧頂けますよ^ ^ (2017年3月17日 23時) (レス) id: 9698a9dee6 (このIDを非表示/違反報告)
あい - TAMER:とかは、どうやって見れるんですか? (2017年3月17日 23時) (レス) id: 6892ebfcfa (このIDを非表示/違反報告)
有八伊菜(プロフ) - この話気に入ったー!これからも更新ファイトやでー (2017年3月12日 21時) (レス) id: f6c4890c42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お調子者 | 作成日時:2017年2月23日 20時