愛してるから、奪いたい

２６ ページ26

「っ…」


「ノ、ノゾムさん？」



俺が選んだ、
淡い薄ピンク色のドレスを着たA。


上目遣いでこちらを見つめるのが、
なんともかわいらしくて理性が持ちそうにない。


反則やっ…このダブルパンチは…っ…。


自分が選んだってことにも興奮する。



「ノゾムさ、んっ…！」


「ん…ちゅ…」


「んぅぅ…っ…ん、ん……」



俺を呼ぶ声に被せて、
噛み付くようにキスをした。


はやく…はやく、

俺のものになってしまえばええんにっ…。



「んっ…ぁ…んぅ、ん……」



何回もちゅっちゅっと角度を変えて、
Aの唇を蝕む。


かわええ声をあげて、
頰を紅潮させてはぁはぁと呼吸を整える。


その顔、そそるだけなんやけど。



「A」



そう呼べば、
うっとりとした表情で顔を上げる。


初めて呼び捨てで呼んだわ。



「お前は俺に捕まったんや」



顎をくいっと上げれば、
無防備に口を開けてはぁっと浅く息を吐いた。



「もう、逃げられんよ。てか逃がさんから」



狙ったものは逃がさない、
とはこのことだ。



「ふふ」


「…っ……」


「好きやで。いや、愛してる」



そう言って、

またその小さな唇にキスを落とした。

２７→←２５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す