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友達だったかな2 ページ12
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今日もまたふたつの目覚まし時計に起こされる。
素早く身支度と朝ごはんを済ませ駅へ向かう。
こちらに向かってくる電車を見て息が止まりそうになる。いやまぁ、これから実際に止まりそうになるんだけど。
こんな窮屈なものに毎日、都会の人は乗っているのかと冗談抜きで感心してしまう。本当にすごい。
そして大学の最寄りの駅で降りる。ぷはっ。
やっと存分に呼吸ができる……。
帰りはそんなにいないよね…？と不安を抱きながら私は大学へと足を運んだ。
大学へと着き、無事に席に座ることができて私はほっと息をつく。
…
大学では新しいことに挑戦したいと思ってサークル見学に向かおうとキャンパス内を歩いていたら、
｢あ、おとといの。科学館の。ファミレスの｣
｢いや語彙力よっ。奢ったのに名前を忘れるとは何事だ｣
｢いや、覚えております、堀内くん。ひもじい私を助けていただきありがとうございました｣
｢うむ、くるしゅうない｣
堀内くんは満足気な顔で門へ向かって行くから私は、
｢堀内くんはサークルはいるの？｣
慌ててそう聞いてた。
｢やー、俺は入らないつもり〜｣
くるりと私の方に体を向けてヒラヒラと手を振った。私と堀内くんの想定距離およそ2.5メートル。
反動で私も手を振り返す。
近いような、ちょっと遠いような。
｢どうして？バイトとか？｣
｢んーん、やることがあるの｣
｢やること？｣
｢うん｣
彼はあの柔らかい笑顔を浮べるとまた体の向きを変え帰路に向かった。
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作者名：いろは | 作成日時：2019年4月22日 15時
