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もう一度目を覚ましたのは夜の20時を回った頃。


ベッドから見慣れた景色、おでこに貼られた冷えぴたとサイドデーブルに置かれた水に肩までしっかりかけられた掛け布団




翔太に送ってもらったあとどうしたっけ?と記憶を辿るけれど思い出せずぼーっとしていればドアが開いた。





「あ、起きた?」


『翔太、なんで』





制服姿から部屋着のスウェットに着替えて、お粥を持って来てくれた翔太。








「Aのママ今日も遅いって言うから代わりに看病してんの。お粥食べれる?」






サイドテーブルにお粥をおいて、スプーンですくってふーふーと冷ましてくれた。






『食べる』






そのまま口に運ばれたお粥を頬張る


あまり食欲はないが、あまりにも美味しかったから半分程食べることができた。






『これ翔太が作ったの?』





翔太は料理ができないはずだし、翔太のママだって帰りが遅いはず。


いつの間にこんな料理上手になったんだ、と聞いてみる。






「俺が作れるわけ無いじゃん。涼太にお願いした」








やっぱりか、と苦笑

それは当たり前に美味しいわけだ。




翔太にスマホを取ってもらって涼太くんにありがとうと連絡をする。

玲奈に連絡するように言われていたのも思い出して、一緒に連絡しておいた。



すると持っていた手からスマホがするっと抜けて、いつの間にか翔太の手に。








「ほら病人は寝ろ!」



『えー、もう十分寝たよ』



いいからと寝かされて、肩まで布団をかけられる。


そんなこと言ってもまだ熱があるんだ。

段々と瞼が閉じてきて寝そうになったが、寝たら帰ってしまうんだと思うと寝たくなくて目を開ける。






「なに、なんで寝ないの〜?」




昔から、熱がある私にはいつもの何倍か甘くなる翔太の話し方が好きだった。


風邪を引いたときの唯一の楽しみなのだ。







『寝たら帰っちゃうでしょ?』







こんなことを口走ってしまったのは熱のせい。


きっとそう。



一瞬驚いた顔をした翔太は少し頬を赤くしてそっぽを向いたあと、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。







「帰らないから寝な」







気づけば夢の中で、頭を撫でられるのが心地よくて、すごくよく眠れたんだ。

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名無しちゃん(プロフ) - だくん。さん» ありがとうございます(><)頑張ります!! (2020年1月23日 17時) (レス) id: 1576c4c9b9 (このIDを非表示/違反報告)
だくん。(プロフ) - 作者様の考え方やお話大好きです。更新頑張ってください! (2020年1月22日 23時) (レス) id: 169a6b186d (このIDを非表示/違反報告)
名無しちゃん(プロフ) - ぴ。さん» 私なんかの作品で泣いて頂けるなんて(><)有難うございます、更新頑張ります(_ _*)) (2020年1月11日 1時) (レス) id: 1576c4c9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ。(プロフ) - 思わず涙してしまいました、、、更新待ってます(><) (2020年1月11日 0時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
名無しちゃん(プロフ) - あめりさん» 有難うございます(><)まだまだ未熟ですが、更新頑張ります! (2020年1月7日 0時) (レス) id: 1576c4c9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しちゃん | 作成日時:2020年1月4日 1時

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