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気づけばもうお化け屋敷の外にいて、隣の翔太は「結構怖かったな」と項垂れている。
確かに怖かったけれど、それ以上にさっきのことが頭から離れなくてそれどころではないんだ。
「お化け屋敷は無理だけど、Aと入ると守りたい気持ちのほうが強くなったわ。」
「がんばったじゃん」と優しい顔の翔太に見つめられる。
やっぱり嘘だ。
そうやって一人でいつの間にかかっこよくなって、いつの間にか大人になってる。
彼女だって何度もできていて、ずっと横並びだったのにいつの間にか翔太は先に行っちゃってるんだ。
勝手に一人で考えすぎて落ち込んでいるだけなのに、何を話していいかわからなくなって固まる。
急に上の空の私に困った様子の翔太は「怖すぎて放心状態になったの?どうした?」と不安そうに私を見下ろす。
だけどやっぱり翔太は先に行ってしまうんだね。
美「あれ?翔太?」
翔太が振り返ったあと、続けて振り返った私は目を疑った。
それは相手が美香さんだったというのもある。
だけど、それ以上に驚いた理由
「美香と樹?なにしてんの?」
美香さんと樹くんが一緒にいたから。
樹くんの腕にぎゅっとくっついた美香さんと、わかりやすく焦った様子の樹くん。
ポケットから手を出して、自分の腕に巻き付いている美香さんの腕を急いで離した。
樹「Aちゃん、これはさ」
『ううん、いいよ別に。』
私は樹くんに何か言う資格はない。
弁解しようとする樹くんを遮って、一瞬あった目をすぐに反らした。
美「そうだぁ!美香ね、翔太と次は友達になるって決めたんだぁ〜」
美香さんの発言に、本当に別れたんだと回らない頭で思った。
樹くんが美香さんと仲がいいとしたら
私の連絡先を教えたのは樹くん?
相談も全部心の中で笑ってたの?
考えたくもないようなことがどんどん浮かんで、さっきまでの楽しさは一気に消えた。
そして、とうとう私にトドメ
美「だから、翔太とお友達になるために今日はもう借りちゃいますね!Aさん樹と仲良いらしいですし!」
美香さんはそのまま翔太の手を強引に引っ張っていって、困惑中の翔太は結局そのまま連れられていってしまった。
ほら、やっぱり置いていくんだ。
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名無しちゃん(プロフ) - だくん。さん» ありがとうございます(><)頑張ります!! (2020年1月23日 17時) (レス) id: 1576c4c9b9 (このIDを非表示/違反報告)
だくん。(プロフ) - 作者様の考え方やお話大好きです。更新頑張ってください! (2020年1月22日 23時) (レス) id: 169a6b186d (このIDを非表示/違反報告)
名無しちゃん(プロフ) - ぴ。さん» 私なんかの作品で泣いて頂けるなんて(><)有難うございます、更新頑張ります(_ _*)) (2020年1月11日 1時) (レス) id: 1576c4c9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ。(プロフ) - 思わず涙してしまいました、、、更新待ってます(><) (2020年1月11日 0時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
名無しちゃん(プロフ) - あめりさん» 有難うございます(><)まだまだ未熟ですが、更新頑張ります! (2020年1月7日 0時) (レス) id: 1576c4c9b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無しちゃん | 作成日時:2020年1月4日 1時