れんあいげーむ。

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『翔太…』







何もなかったかのように私の横に並んで柵に手をかける。

久しぶりに見た横顔にキュンとなんてしない、しないよ。









「ちゃんと乾かせって言ってんじゃん」









「風邪引くぞ」と私の髪をくしゃくしゃっと乱して、当たり前のように触れて、私の心も掻き乱す。




距離を取らないといけないのは翔太のせいなのに翔太はずるいよ。









"これ以上近づかないで"









美香さんの言葉を思い出して、翔太から半歩離れる。


いや、そういう物理的な話じゃないか、

思わず自分の行動に自分で突っ込む。









「なぁ、樹とつきあうの？」




『へ？』









急に翔太から話題が振られたと思ったら、急に出てきた樹くんの名前に間抜けな声が出た。






そうか、翔太からしたら私に彼氏がいたほうが美香さんが安心できていいもんね。







今はどんな言葉もネガティブにしか捉えられず、裏ばかり考えてしまう。









『いいなとは思ってるよ。優しいし、面白いし。』









だからもう心配しなくていい、関わらないから。


そんな意味も込めて。

だけど、本当に思っていることだから嘘はない。







私は翔太と距離を置くためにたくさん考えてるのに、いっぱい苦労してるのに




翔太は何を考えてるの。









「なんか、Aからそういうの聞くの嫌だわ。



Aは樹と付き合っちゃうの？」









なぜか不安そうな顔をして、子犬のようにきゅるんとした目の翔太に顔を覗き込まれる。



翔太と目を合わせたくなくて必死で下を向いている努力も虚しく、簡単に合わされた目に歯止めが聞かなくなってしまったの。

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