79話 ページ29
大会、当日。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
私は、階段で空をぼーっと見上げていた。
「A!・・・何してんの?」
「ホソク・・・。んー、あのね?わたし、なんか、考えすぎてたのかなーって。」
結果的に言うと、私たちは優勝することは出来なかった。実際のところ、私たちの騒動があまりにも広まりすぎて、審査に影響が出てしまったらしい。
「・・・んー、でも、そうさせちゃったのはこっちの責任でもあるし」
「あはは、ホソクも私と同じようなものだね。」
「そうだね。・・・ジョングク、スカウトされてたね」
「ん。」
「いいの?」
「何が?」
私が近くにあった石をポイッと投げると、「素直じゃないなぁ」と笑われた。
余計なお世話だ、と舌をべーっと出すと、突然腕を引っ張られた。
「うわっ!!なにす・・・ん、の」
「・・・・・・・・・」
いつの間にか、ホソクの腕の中で。
とても小さな声で、「好きだよ」と呟いた。
「え・・・」
「ずっと、好きだった。Aのこと。・・・大切だった。でも、関係が壊れるのが怖くて、何も出来なかった。そして、結果的に大事にしすぎて傷つけた。ごめん。」
ふわふわと揺れる風に、ホソクの表情は優しかった、
「ホソク・・・・・・わたし・・・」
「ふっ、知ってるよ。相棒なんだからさ。・・・行ってきな?かっこよすぎてきっと今頃告白されまくってるよ?」
「・・・ホソク、ありがとう!!」
私はホソクの言葉に走り出した。少し、ホソクの瞳に膜が張っているような、そんな気がした。
ピタッと止まって、振り向く。
「ホソクーー!!!」
少し遠くなったところで、驚いた顔のホソク。
大きな声で、私は言った。
「大好きーーー!!!!」
キョトンとした顔のホソクは、ぶはっと笑って、口パクでばか、といった。笑ってくれたホソクを見て、私はまた走り出す。キラリと落ちた光の粒は、見えなかったことにした。
「・・・・・・・・・さよなら、俺の初恋の人」
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さな - 完結お疲れ様でした!!続き気になってます|ω`) (2020年4月29日 5時) (レス) id: fbde6b4563 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです。ありがとうございました! (2020年4月21日 18時) (レス) id: af2d2dfc16 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11907号(プロフ) - 続きみたい、、 (2020年4月16日 12時) (レス) id: becccdf5f1 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎちゃん(プロフ) - グクオチがいいです(;_;)ユンギも好きだけど、。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: bc49230644 (このIDを非表示/違反報告)
niina - とても面白いです!!オチは誰なってもいいですけどぐくが見てみたいです。! (2019年2月16日 22時) (レス) id: 5bc7b247c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2018年12月28日 1時