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69話 ページ19

ユンギさんが作業室と言っていた部屋は、よく分からない機材が部屋いっぱいにあって、少し窮屈そうだった。








「あー、椅子1つしかねえな・・・まあいいか。A、これ聞いて」





ユンギさんは椅子に座ってパソコンをいじると、曲を流した。ピアノの音が流れて、少し、寂しさを感じる音色だった。







「これ・・・」



「お前の、曲。どう?」




「えっと・・・これ、わたしのためにユンギさんが作ってくれた曲、ですか?」



「あ?・・・うん」





ユンギさんは驚いたような顔をした後、真剣な眼差しで私を見た。







「ピアノの音を聞いて、少し寂しさを感じました。とても繊細で、触れたら壊れてしまいそうなイメージで・・・。」




「へぇ・・・。じゃあAはそのイメージのこの曲をどんな風に歌いたい?」




「私は・・・ユンギさんがこの曲を私をイメージして作ってくださったのなら、私は力強く歌いたいです。そんなに私は弱くないと、伝えたい。」







私がユンギさんをまっすぐ見つめると、ユンギさんは私の目を探るように見つめた。








「・・・」


「・・・」






耳が痛くなるほどの沈黙に、嫌な汗が体から吹き出る。変なことを言ってしまったかもしれない。





でも、これが私の気持ちだから。








どれほど時間が経ったのか、ユンギさんは俯くと、肩を震わせた。








「くっ・・・っ」



「・・・?ゆ、ユンギさん?」




「ふははっ!・・・あー、お前、ほんとに最高だな」







ユンギさんは楽しそうに笑うと、「才能あるよ、お前」といった。







「普通いきなり曲聞かされてどう?なんて聞かれても答えれねぇのにさ。」



「そう、なんですか?」



「素人だったら大体はそうだな。それにこの曲を力強く歌いたいなんて、お前ほんとにおもしれぇ。」






ユンギさんは椅子から立つと、私の頭を撫でて優しい目をしていった。









「俺の曲、歌ってくれるか?」

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さな - 完結お疲れ様でした!!続き気になってます|ω`) (2020年4月29日 5時) (レス) id: fbde6b4563 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです。ありがとうございました! (2020年4月21日 18時) (レス) id: af2d2dfc16 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11907号(プロフ) - 続きみたい、、 (2020年4月16日 12時) (レス) id: becccdf5f1 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎちゃん(プロフ) - グクオチがいいです(;_;)ユンギも好きだけど、。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: bc49230644 (このIDを非表示/違反報告)
niina - とても面白いです!!オチは誰なってもいいですけどぐくが見てみたいです。! (2019年2月16日 22時) (レス) id: 5bc7b247c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アコ | 作成日時:2018年12月28日 1時

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