65話 ページ15
｢風邪ひくってば！も〜｣
ちょこちょこと駆け寄ってきて私に自分のブレザーをかけるジミナ。
優しくされると、余計に泣けてしまうのに。
｢泣いた？･･･目真っ赤。｣
｢ん･･･｣
私の目にそっと触れると、困ったように笑った。
ジミナは全部優しかった。
昔も今も、変わらない。私に戻ってきてなんて、言わない。
｢･･･ホソクから、聞いたよ。いろいろ。予想外だった？｣
｢うん。･･･ホソクは私に興味が無いと思ってたから余計に。｣
｢そっかぁ。でも戻ってきて、は間違ってるよね｣
ジミナの何気ない一言に、胸がﾂｷﾝｯと傷んだのがわかった。
それを望んでいたのだけれど。
｢そう、だね。もう戻る場所なんてないし、｣
｢うん。戻る場所じゃないね｣
まさかそう言われるとは思わなくて、思わず目を見開いて顔を上げる。そこにはニコニコしたジミナが優しく目を細めていた。
｢え･･･｣
｢戻る場所、じゃなくてさ。Aが帰ってくる場所だよ。だから安心してユンギヒョンの手を掴んでいいんだよ。息詰まって、苦しくなったら、僕らが待ってる。おかえりって、包んであげる。･･･大丈夫、僕らは何も変わってないよ。Aもなにも変わってない。ダンスを好きなAのまま、新しいことに進んでいいんだよ。嫌いになる必要なんてない、忘れなくていい。｣
｢ジミナ･･･｣
ジミナは優しくぎゅっと抱きしめてくれた。風邪は冷たいのに、暖かくてずっとそうしていたかった。
私達は泣かなかった。悲しい事じゃ、ないから。私は前を向いて進んでいいんだって、ジミナが教えてくれたから。
｢A｣
｢ん？｣
顔を上げると、すぐ目の前にジミナの顔があって、おでこをコツンとつけて笑った。
｢･･･ただいまを聞けるの、待ってる。いってらっしゃい！｣
｢･･･っうん！いってきます！｣
背中を押してくれた天使の涙に、私は見ないふりをした。大丈夫。悲しみの涙じゃ、なかったから。
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お久しぶりです。しばらく放置していてごめんなさい！何度も書こうとしたんですけど書けなくて･･･やっと書けました！なるべく更新できるように頑張ります！
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さな - 完結お疲れ様でした！！続き気になってます|ω`) (2020年4月29日 5時) (
レス) id: fbde6b4563 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても面白かったです。ありがとうございました！ (2020年4月21日 18時) (レス) id: af2d2dfc16 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11907号(プロフ) - 続きみたい、、 (2020年4月16日 12時) (レス) id: becccdf5f1 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎちゃん(プロフ) - グクオチがいいです（；＿；）ユンギも好きだけど、。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: bc49230644 (このIDを非表示/違反報告)
niina - とても面白いです！！オチは誰なってもいいですけどぐくが見てみたいです。！ (2019年2月16日 22時) (レス) id: 5bc7b247c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アコ
| 作成日時：2018年12月28日 1時
