超えるには近すぎる

10話 ページ10

「まだ、帰らないの？？」








「いえ、もう帰りますよ！ジミンさんは焼肉に行くんですよね？下まで一緒に行きましょうよ」









Aちゃんは荷物をまとめると、僕の隣に立った。
全然待ってないのに、「お待たせしました」って言いながら。









「あのさ、もう仕事終わりでしょ？
･･････敬語、外してみてくれない？」









「え！！･･････うーん。なんだか恥ずかしい、な」









苦笑いしながらも、敬語や外してくれた。やばい、可愛い。









「呼び方、どうすればいいかな？」









こてんっと効果音なつきそうな可愛さで首をかしげた。
僕可愛いしかAちゃんに思ってないな。









「なんでもいいよ！呼びやすいように呼んで？」








「そっか！じゃあ･･･テテみたいに軽い感じでいいかな？」









「うん！僕もその方がいいかな」









なんて呼んでくれるかな、さん付けじゃないなら、なんでもいいんだけど。そう考えていた。








「ジミナ、とか」









そう不意に呼ばれた僕の名前に、歩いていた足が止まる。









少し先にいるAちゃんが、隣に来ない僕を不思議に思って振り向こうとした。

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