超えるには近すぎる (ページ20)

今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:254,068 hit

20話ページ20

今日はボンボヤの撮影日で、現地に着くとAちゃんの姿があった。

スタッフさんと何か話してるみたいで、髪を見ながら会話してる。

会話が終わると、紙を少し読んだ後、キョロキョロと周りを見渡した。Aちゃんは僕達に気がつくと、「おはようございます。」と頭を下げた。

今朝のこともあってか、Aちゃんは何も悪くないのだけど、みんなぎこちない笑顔を浮かべて挨拶を返す。

特に用事なかったのか、それとも空気を察したのか、挨拶をして直ぐにスタッフの方へ駆けていった。

多分、後者だと思う。だって企画書のような紙を読んだ後僕らを探していたんだから、用事があったに違いない。

しばらくすると、Aちゃんじゃないスタッフさんが企画内容の大まかな説明に来た。さっきAちゃんと話していたスタッフさんだ。

ボンボヤは僕らが楽しんでいる様子が多く映し出されるから、気分を害しては行けないと思ってAちゃんは来なかったのかもしれない。

その証拠に誰かしらと話す機会のあったAちゃんは、今日メンバーの誰とも話していないんだから。

テヒョナのメイクも、みんなのスタイリングも、全部Aちゃんじゃない人だった。

みんなほっとしているような、心配しているような、複雑な表情だった。

そんな中、突然撮影が中止になり、室内に避難するように指示された。

「避難って･･･何かあったのかな？」

「なんか、みんな慌ただしく動いてるけど、どうしたんだろう。」

テヒョナと会話してて、こっそりスタッフさんの話を聞こうと、近くにいたスタッフさんに少し近づいた。

「まずいな･･･A、買い出しに出させちゃったよ」

「連絡がつかないですし･･･通り魔に遭遇してたらどうしましょう」

そんなスタッフさんの会話が聞こえて、テヒョナと顔を見合わせた。

通り魔？どういうこと？Aちゃんがいないって･･･

「おい、お前ら、説明するから集まってくれ」

混乱する中、マネヒョンの声がかかり、7人椅子に座った。

「今ちょっと天候が変わりやすくなっているみたいでな、雷が落ちるかもしれないから、少し室内で待機しててくれ。絶対に、外に出るなよ」

マネヒョンの言葉に、僕とテヒョナはさらに混乱した。