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零頁─有島生誕祭 3─ ページ34

外套に腕を通し、鞄を肩にかける。

職場である武装探偵社には車で約二時間の道のりだ。


一階にある喫茶店に行きたい気持ちを抑え、私は建物内に足を踏み入れる。

エレベーターの三階の釦を押すとドアが閉まり、体が浮遊感に襲われた。


いつもは目を閉じているのだが、今日は何かいつもと違った雰囲気を感じドアを見つめ首をかしげる。


チーン...


甲高い音を合図にドアが開く。

私はゆったりとした足取りで探偵社の扉を開いた。


そして、




『おはようございます』




...いつも通りにそう云おうとした。

しかし、云えなかった。


何故なら────



パンッ パンッ パンッ




「「「「Aさん、お誕生日おめでとうございます!!」」」」




鼻をつく火薬の匂い。

宙を舞う多彩な紙テープ。




『...えっ』




突然のことに私は思わず目を見開く。

た、誕生日...?




「おはよう、A!どうだい?久しぶりに祝ってもらえる誕生日は」

『あ、あの...これは?』

「太宰がどうしてもと云って聞かなくてな。祝うものがケーキくらいしかないが今日は楽しんでくれ」




国木田さんはため息混じりにそう告げ、少し間を置き小さく「おめでとう」と云った気がした。


あぁ、そうか。

今日は私の誕生日。

最近は忙しくて日付を気にする余裕すらなかった。


でもあの太宰さんが私のために?


未だポカンとして状況の理解が追いついていない私に、太宰さんはニコニコとした笑顔で声をかける。




「国木田君が態々割いてくれた時間だ。今はとにかく楽しもうよ」

『それは何時間ほどでしょうか?』

「一応正午までだってさ。午後からは殆ど休憩無しで仕事するらしいよ」

『あぁ、なるほど...』




だからあれだけの目覚まし時計を置いたのか。

私が遅刻せずに出勤し、出来るだけ長くこのパーティーを楽しめるように。

まぁ、普段のやり返しっていう意味もあるだろうけど。

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設定タグ:文スト , 太宰治、中原中也 , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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煉華☆(プロフ) - 書いたつもりだったのですが(;・∀・)中也さんはもう少し夢主と絡ませる予定です!コメントありがとうございました! (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 名無しさん» こんにちは(*^^*)やっぱり分かりにくかったですかね?何故かシリーズ化しないんですよ...。説明欄から行けるようにURLを貼っているのですが、また今度見えやすいようにしておきますm(_ _)m お、気づいてもらえましたか!自分では気づくか気づかないかくらいの色で (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは。part1が分かりづらくちょっと大変でしたが、最初から最後まで読ませてもらいました(^ー^)最新話の夢主の「…馬鹿」がもう可愛すぎ!これからも頑張ってください! (2017年2月11日 15時) (レス) id: 23590d66be (このIDを非表示/違反報告)
鈴燈輝葵(プロフ) - 煉華☆さん» 双黒大好きなので楽しみです♪ (2017年1月9日 2時) (レス) id: 2f068cebfc (このIDを非表示/違反報告)
ふぅり(プロフ) - あ、ほんとだ、すみません、!!!フォローさせていただきます!(`・ω・´)ゝ (2017年1月8日 15時) (レス) id: d25cb7c6f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月7日 19時

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