漆拾壱頁─小柄ナ襲撃者 3─ ページ18
晩香堂を出て私達は彼処に被害が行かないようにある程度歩く。
暫く線路の上で待っていると、コツコツと革靴特有の音が聞こえてきた。
それを聞くと同時に私のやる気がどんどん無くなっていった。
「よぉA。手前にしては素直に出てきたじゃねぇか。それにしてもAが居るとはいえたった三人か。見くびられた話だぜ」
『私が面倒事嫌いなのは知ってますよね?なら態々聞かないでください。此方は太宰さんの相手に疲れているのです』
態とらしいほど疲れた表情を見せると彼は舌打ちをし地面を蹴った。
この舌打ちは誰に向けられたものだろうか。
「探偵社は事前予約制でねェ。対応が不満なら余所をあたりな」
「マフィアが敵拠点で暴れるのに予約が要ると思うか?」
「はい!要らないと思います!」
隣に居る賢治君が手を挙げながら元気よく答えた。
私もそれに続く。
『ですね。予約なんてしていたら成功率が圧倒的に下がってしまいますから』
「賢治とAの云う通りだよ。暴れたいなら好きにしな。けどアンタは暴れに来たんじゃない...だろ?」
「ほう、何故そう思う?」
「ウチは探偵だよ。訪客の目的位、一目で見抜けなくてどうするンだい」
彼女の言葉に中也さんは驚いたようで、他人に気づかれない程度に目を丸くさせていた。
そりゃ驚くよね。
私も乱歩さんに会ったときは彼以上に驚かされたし。
「お宅の社長は?」
「そこだよ」
与謝野先生はまだ生きている監視カメラを指さす。
中也さんは外套に手を入れ、何かを取り出した。
それは一枚の写真だった。
「うちの首領からお宅等に
『ギルドの団員?』
「奴等を“餌”で釣った。現れる場所と時間も此処に書いてある。こんな
確かにこんな好機は滅多に訪れない。
そこらの小組織なら直ぐに食いついただろう。
しかし...
「成る程、唆られる案だね。けどもっと善い案があるよ。アンタの手足を削ぎ落としてから、何を企んでるか吐かせるってのはどうだい」
「そりゃ、凄え名案だ。やってみろよ」
与謝野先生の言葉に中也さんは挑発するように返した。
明らかに搗ち合う数秒前。
あー、何だかんだでいつもこうなる。
私は心の中で絶対に戦わないと決意し、少し離れて三人の戦闘を見物した。
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煉華☆(プロフ) - 書いたつもりだったのですが(;・∀・)中也さんはもう少し夢主と絡ませる予定です!コメントありがとうございました! (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 名無しさん» こんにちは(*^^*)やっぱり分かりにくかったですかね?何故かシリーズ化しないんですよ...。説明欄から行けるようにURLを貼っているのですが、また今度見えやすいようにしておきますm(_ _)m お、気づいてもらえましたか!自分では気づくか気づかないかくらいの色で (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは。part1が分かりづらくちょっと大変でしたが、最初から最後まで読ませてもらいました(^ー^)最新話の夢主の「…馬鹿」がもう可愛すぎ!これからも頑張ってください! (2017年2月11日 15時) (レス) id: 23590d66be (このIDを非表示/違反報告)
鈴燈輝葵(プロフ) - 煉華☆さん» 双黒大好きなので楽しみです♪ (2017年1月9日 2時) (レス) id: 2f068cebfc (このIDを非表示/違反報告)
ふぅり(プロフ) - あ、ほんとだ、すみません、!!!フォローさせていただきます!(`・ω・´)ゝ (2017年1月8日 15時) (レス) id: d25cb7c6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月7日 19時