ゆづっち 114 ページ14
「うーん……」
さすがの無理難題に私も思わず顔をしかめる。
私も二人と一緒に行けたら嬉しいが
みんなにどう説明すればいいのか。
私の武器です、なんて言えないし……。
「あ、実火。おかわりくれ」
なんて私が悩んでいる間
その根本であるコイツは呑気に
飯のおかわりをしている。
「はーい。あ、Aさんもいりますか？」
「いやいいよ。
それにしても本当に料理上手いな、実火」
「えへへ。ありがとうございます」
ちなみに今日のメニューは
サラダとビーフシチューである。
何回も言うようだが、本当に美味い。
もしかしたらそこらのレストランより
よっぽど美味いかも。
そして実火は青夜の前によそわれた
ビーフシチューを置くと
突然、あっと声を上げた。
思わずそちらを向くと
彼女はとびきりの笑顔を見せた。
「閃きました!!
一緒に行けますよ、南の島!!」
×××
何かを閃いたと言いつつ、
実火は何も教えてくれない。
何回聞いても秘密です、と準備を進めていく
ので見ているしかないのだが
やはり一緒に行けるのは素直にうれしい。
青夜はもう実火から聞いているようで
自分で準備を始めている。
……ただ変なことだけは止めてほしい。
そんな不安も抱きつつ
自分自身の用意を全くしていなかった私は
まず持ち物を確認することにした。
以前貰ったアコーディオン級しおり
の目次から持ち物一覧表を探していると
疑問が出てくる。
「……なんで持ち物一覧表が10ページもあるんだ?」
よほど細かく指定してあるんだな、と思いつつ
一覧表を開くと
細かく指定している、のも勿論だったが
……とんでもなく、持ち物が多かった。
一体たったの二泊三日でこんな量の荷物がいるのだろうか。
よーく見てみると
上のほうには着替え、水着、洗面用具など頷けるものばかりだが
そのまま下に視線をずらしていくと
段、ん?と思うものが増えていく。
枕
※自分の枕でないと眠れない人
怪談
※夏と言えばコレ!
飛び切り怖いものを用意しましょう
扇風機
※暑くて眠れないと大変です
「……このしおり、使えねぇ」
一体どこの中学生が学校行事に扇風機持ってくんだ。
心の中でツッコミを入れながら、乱暴にしおりを閉じる。
カエデにでも電話で助けを求めるとしよう。
このしおりは明日の資源ごみに出しておく。
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黒猫♪♪ - あの、、、続きは書かないんですか？ (2016年8月7日 13時) (
レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
蝶蘭 - 早く続きが読みたいです！更新待ってます。 (2016年6月28日 0時) (レス) id: ec2100ac58 (このIDを非表示/違反報告)
千差(プロフ) - 獅子王さん» ありがとうございます、これからもいい作品になるよう頑張るので応援お願いします！！ (2016年3月23日 22時) (レス) id: eb938e0fb9 (このIDを非表示/違反報告)
獅子王(プロフ) - いゃ〜、すっっっごく！面白いデス！更新頑張ってください！ (2016年3月23日 11時) (レス) id: cf45032fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆづっち 千差 | 作成日時：2016年3月6日 16時
