伍拾壱頁─赤毛の異能者 12─ ページ18
｢佳い事を教えよう。
森さんは敦君を引き止めたリボンをギュッと握り締める。
そう云えば、情報収集から戦闘員に移った時に私も同じようなことを云われたような気がする。
私が徹底的に叩くと何も残らなすぎるからって、逆に駄目だと叱られた時もあったっけか。
｢でも方法が...｣
｢絶対に敗けぬと高を括る敵ほど容易い相手はないよ｣
『そうだよ、敦君。それにあの部屋に捕らわれている先輩方は、敦君が敵に捕まった時に助けてくれたらしいじゃない』
｢(そうだ...皆は僕を。なら、今回は)｣
敦君は森さんからリボンを受け取り、顔を上げる。
その表情は覚悟を決めたようで凛々しく、瞳は焔を飼っているかのように熱く燃えていた。
｢お話は終わり？やる気は戻ったかしら。そうでなくちゃ、面白くないわ。でも終わりよ｣
敦君の足元にアンが迫っていた。
それは即ち私の目の前というわけで。
『間近で見ると矢っ張り凄いな』
瞬時に敦君は自慢の脚力で上へ跳び避ける。
しかし...
｢もう一体！？｣
｢そちらは二人なのだから当然でしょ？｣
｢しまっ...｣
背後に現れた想定外の二体目の手を躱せず、彼はあの部屋へと連れ去られてしまった。
｢はい、おしまーい｣
笑顔で手を合わせた彼女は明るく手を叩く。
本人は無事に任務完了して安心しているのだろうが、私は全く違う感情を抱いていた。
｢それで、おじさまと眼帯の貴女はどうなさるの？貴方達の言葉のおかげで、虎の彼に逃げられずにすんだわ。だから感謝の印に見逃してもいいわよ。どうせ捕まえる指示のない二人見逃したって、フィッツジェラルドさんは怒ったりしないもの。それとも────｣
�犁�方達がアンに捕まった時の絶望した顔を見てみようかしら��
その言葉が命取り。
生きるもの全てが彼女に牙をむいた。
『二度とこんな巫山戯た遊戯が出来ないようにしてあげますよ』
空中に、ひらりと黒が舞った。
伍拾弐頁─赤毛の異能者 13─→←伍拾頁─赤毛の異能者 11─
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 628人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
煉華☆(プロフ) - 月猫さん» こんにちは、ありがとうございます！更新は訳あって止まっていたのですが、最近やっとpart4が見つかったので今週中に更新再開する予定です(*^^*)ホントですか！？絵を描いてくださる方がいることは感謝しかありません。太宰さんですね、ありがとうございましたm(_ _)m (2016年12月19日 6時) (
レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
月猫(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください!!太宰さんがいいです!!さっき画像申請しに行ったらこの小説のイラスト見つけて凄いビックリしました笑笑 (2016年12月19日 4時) (レス) id: bfad42c78e (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 明日の昼頃に続編に行く予定です。オチアンケートも持ち越しなので、太宰さんか中也さんのどちらにしたいか続編のコメント欄に書いてもらえると助かりますm(_ _)m (2016年12月6日 23時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - アサヤさん» え、ホントですか！？ありがとうございます！ (2016年10月27日 12時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
アサヤ(プロフ) - 煉華☆さん» そうです、紅蓮華姫の作者です笑お気に入り登録ありがとうございます！評価をしようとしたら…もうしていました…！これからの更新楽しみにしています！！ (2016年10月25日 23時) (レス) id: e442709ae5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：煉華 | 作成日時：2016年10月16日 15時
