肆拾肆頁─赤毛の異能者 5─ ページ11
私と敦君に谷崎さん兄妹。
私たち四人は“賢治君を探してきてくれ”という国木田さんの頼みを受け、ヨコハマの街を歩いていた。
豊かな自然と和やかな声。
昼のヨコハマはとても平和で穏やかな空気で包まれている。
『良い意味でこの街は今も昔も変わらないなぁ』
...いや、注意深く見ると三年前に比べて綺麗、か。
これが私がマフィアを抜けたからって理由なら立ち直れないくらい胸が痛むんだけど。
「そうなんですか?」
『私が知る範囲内ではね。それにしてもピリピリしていましたね。探偵社はいつもあのような感じで?』
「いえ、いつもは穏やかな感じなのですが......ナオミ、やっぱり社に戻るンだ」
谷崎さんは学生服を着た黒髪の少女────ナオミさんに云った。
驚くことに彼と彼女は兄妹だという。
髪色も雰囲気も違うがそのことについて深く聞いてはいけないらしい。
とても気になるがそれ以上に面倒事が嫌いなため、私はぐっと胸のうちに仕舞い込んだ。
「嫌よ、ナオミも捜索を手伝うわ。こんな時に兄様と離れたくない」
『我が儘は良くないですよ。万が一、ナオミさんが人質に取られるなんてことになっては貴女の大好きなお兄さんが悲しみますよ』
「Aさんもこう云ってる。事務員は社に戻るンだ!」
「あらあら、何なら昨日の懇願を思い出させてあ...」
『......え?』
続くはずの言葉がなく、不自然だと感じて振り向いた時にはもう遅かった。
私達の後ろを歩いていたナオミさん。
しかし、そこに彼女の姿は何処にも無かった。
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煉華☆(プロフ) - 月猫さん» こんにちは、ありがとうございます!更新は訳あって止まっていたのですが、最近やっとpart4が見つかったので今週中に更新再開する予定です(*^^*)ホントですか!?絵を描いてくださる方がいることは感謝しかありません。太宰さんですね、ありがとうございましたm(_ _)m (2016年12月19日 6時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
月猫(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください!!太宰さんがいいです!!さっき画像申請しに行ったらこの小説のイラスト見つけて凄いビックリしました笑笑 (2016年12月19日 4時) (レス) id: bfad42c78e (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 明日の昼頃に続編に行く予定です。オチアンケートも持ち越しなので、太宰さんか中也さんのどちらにしたいか続編のコメント欄に書いてもらえると助かりますm(_ _)m (2016年12月6日 23時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - アサヤさん» え、ホントですか!?ありがとうございます! (2016年10月27日 12時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
アサヤ(プロフ) - 煉華☆さん» そうです、紅蓮華姫の作者です笑お気に入り登録ありがとうございます!評価をしようとしたら…もうしていました…!これからの更新楽しみにしています!! (2016年10月25日 23時) (レス) id: e442709ae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年10月16日 15時