弐拾漆頁─濁ッタ人生─ ページ34
「中々善い
柔らかな弾力のある胴体に沈み込む中也の拳。
フルールは一歩足を引くのみで彼の拳を受け止めていた。
中也は目を見張り、急いで引き抜こうとするがフルールが腕をがっちりと掴んでおり一向に離れる気配がない。
十数秒後、先に根負けしたのは中也だった。
「くッ、なんで離さねぇンだよ!」
「え、普通そうじゃないノ?態々相手から近づいてきてくれたんだからサ。離してほしいなら教えてヨ。なんでボクのことをそんなに嫌ってるのか」
尻上がりのない声。
フルールの腕を掴む力がぐっと強くなり、骨が折れてしまうのではないかと思うほどに圧迫される。
その時、中也は確信した。
此奴の中身は異常だと。
ぬいぐるみであるからこそ、その表情だけでは感情が読めない。
Aであればそれも可能なのだろうが今の彼には到底出来ない芸当だ。
出来るとすれば、それは相手が纏う空気を読むこと。
そうして彼は度々敵の力量、精神状態を見極めていた。
だからこそ気づく。
フルールが背負っているものの重さに。
「...俺は彼奴のことは認めたが、それは間違っても手前みたいなぬいぐるみじゃねぇ」
「なるほどネ。それならボクを倒してからもう一度云ってネ。そうしたらボクの方からAに伝えてあげるからサ」
「はッ!上等だッ!」
中也は僅かに力を緩められた隙を逃さず一旦距離を取り、そしてまたフルールへと拳を強く握りしめた。
*
『...太宰、体力無さすぎ。一点減点』
「逆にAさんが有りすぎ────いえ、何でもないです」
足に上手く力が入らず、地に手をついて立ち上がろうとする太宰。
上方に感じたAの早くしろという威圧に、ぷるぷると震える手足に無理矢理力を入れて奮い立たせる。
あれから彼等がやった体力作り、もとい筋肉をつける為のトレーニングは腹筋、背筋、腕立て伏せにスクワットなどなど。
その中の一つのみでも充分に躰が温まるほどの回数をそれぞれこなした結果、太宰は見ての通り床と友達になり、それに対してAは僅かに疲労の色をみせるだけで何事もなくしっかりと二本の足で立っていた。
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煉華☆(プロフ) - ラズベリーさん» 返信遅れてしまいすみませんでした!先ほど承認を出させていただきました。双黒良いですよね、私も最推しです(*^^*) 最終更新からかなり日が空いてしまいましたが、今日から再開予定ですのでまた読んでいただけると幸いです。コメントありがとうございました! (2019年9月27日 8時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 燐華さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。わざわざ申請してもらったのにこう言うのはなんなのですが、文章をしっかりと読んだ上での申請をお願いしております。フレンド数の上限の関係でこうなってしまって本当にすみません!拒否はしてませんので良ければお待ちしております (2019年9月27日 7時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ラズベリー(プロフ) - フレンド申請させていただきました。〈ラズベリー〉です!推しは旧双黒の2人です!このお話凄く面白いのでこれからも更新頑張って下さい! (2019年9月18日 16時) (レス) id: 56fb91a534 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - フレンド申請させていただきました。ユーザー名は彼岸花です。 (2019年9月18日 9時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - サナさん» いただければ幸いです。 (2019年7月5日 15時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月19日 15時