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私も彼もまやかしで出来ていると分かっている。
だけど、彼の知らない部分や過去の話を知りたいと思う私が居る。
そんな事を思ったのはきっと胸騒ぎのせいだ。
帰った時、世界から彼は消えていた。
最後まで誰でも無い''誰か''として。
無情である事が私達の原則、過去は切り捨てる物だ。
彼の存在も息と同じように消えるのだろう。
…だけど、目に映る風景は歪んでいた。
初めて想いの熱を共有した、あの晩に似ている。
だが雨は降っていない。
「…一度も口に出さなかったな」
私も彼も言わなくても繋がっていた。
けれど、
やっぱり伝えたかった。
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作者名:まどろみ | 作成日時:2020年4月8日 21時