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211話 ページ30

山に居たのは、実像の分身を大量に作れるという鬼。
一人一人は雑魚でも質より量で厄介。
てかその血気術普通に凄いな?

…この量を全て甘露寺さんに切ってもらうなんて、さすがの彼女でもかなりの負担じゃないだろうか。
せめて負担を減らせるように鬼の動きを止められたり出来たら良いんだけど…

『…ぁ』
何が出来るだろう、そう考えた時に思い出した。
…私、血気術使えるんだった
前世からの相棒みたいな存在の羽赫。
今の私にはそれがある。
そして、羽赫から放たれた鉱石は上弦の片腕を動かなくさせた。
雑魚鬼なら体中痺れて動けなくなるのでは…?

『…』
試す価値は十分にある。
やっと私にも出来そうな事が見えてきた。
ジリジリ寄ってくる鬼達を睨むと、甘露寺さんへ伝える。
『甘露寺さん、私が鬼の動きを止めます。なので首…お願いします!』

羽織と袴の右袖を下ろす。
露となる右肩。
急に私が袖を下ろしたから、横に居た甘露寺さんはギョッとしたような目をして「Aちゃん…っ」と顔を背けてしまった。
いや甘露寺さん…何でそんな年頃の男子みたいなウブな反応するんですか、サラシ付けてますって。
てか貴方そもそも同性じゃないの。

緊張感の無いやり取り…そこが彼女の好きな所なんだが、それで何か場の張り詰めていた空気が軽くなった気がした。
何も終わってないから、本来緊張感無くなったら駄目なんだけどね…



冗談はさて置いて…
私は勢いを付けると、その場で大きく跳躍。
そして同時に右肩から羽赫を空へ羽ばたかせた。
何度も味わった感覚、体がジワジワと熱い。

上から見たら鬼が異様な程ウジャウジャしているのが分かる。
これはやっぱ動き止めるくらいしないと甘露寺さんがキツイだろ…
羽赫をはためかせれば、赤黒い鉱石の雨が鬼達に降り注ぐ。

あちこちで気味の悪いうめき声が聞こえ、当たった鬼はバッチリ動けない状態になっていた
近くの木に飛び移り、また空へとジャンプ。
「あの女だ!あの石に当たったら動けなくなる!避けろ!!」
少し後方から声が聞こえた。

早くも状況を察知されたか……ん?
『!』
私は空中で身を翻すと、声を上げたその鬼に向かって鉱石を大量にぶち込んだ。
「ギャッッ」
そして木にぶつかり、鉱石が良い感じに木へ突き刺さったようで宙ぶらりん状態。

状況を素早く察知に周りへ指示。
実像だとしても、そこまで周りに気を配れるのはオリジナルだけじゃないだろうか?
『甘露寺さん!』
きっとアイツが本体の一人だ

.

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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜! (5月2日 19時) (レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです! (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い!こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます!いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです!頑張りますううううううううう!!! (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ!!! (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まどろみ | 作成日時:2020年1月1日 21時

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