206話 ページ25
視界に禰豆子ちゃんを移すと、私は必死に伝えた。
『宇隨さんを助けて…禰豆子ちゃんの…その炎で』
最後の最後で他力本願、自分でもどうかと思う。
でも…宇隨さんに時間が無い。
今彼を救えるのは鬼だけなんだよ…
だからお願い禰豆子ちゃん。
…すると私の手を…土を掻いていた手を、禰豆子ちゃんは優しく包んだ。
小さくて柔らかい手が、温かくて大きな手だ。
「ウー！」
彼女の桃色の瞳が揺れる。
もうほとんど閉じかけた視界に最後、「任せて」というような笑顔の彼女が写る
すると同時、私の意識がスっと遠のいて……
視界が暗くなった。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
『………』
…朝、いつもは凄く眠たいのに…たまに気分良く目が覚める事あると思う。
目覚まし時計の鳴る5分前に起きて、いつもより余裕で鳥のさえずりなんて聞いて起き上がる…
例えるのなら、今の私は正しくそれだ。
パチリとこれ以上無いくらい良い気分で目を覚ますと、冴えた頭で周りを見回す。
何度も見た畳と内装……
『…蝶屋敷』
体力を使いすぎてぶっ倒れたんだよなぁ、確か。
ここまで体が軽いと言う事は、たぶん失った体力分睡眠が取れたのだろう
んーまずは胡蝶さんの所に行った方が良いか…
血調べたりするだろうし。
天井の木目を淡々と見ながら考える。
…と、ふと思い出した
宇隨さんは大丈夫だろうか？
禰豆子ちゃんなら、きっと分かってくれただろうけど……
『…』
…ま、何にせよいつまでも布団でゴロゴロしてても仕方無い！
そう言い聞かせると、私は布団をたたみ始めた。
「………Aさん？」
たたんだ布団を端へ寄せた時、ふと背後から声がかかる。
『あ、胡蝶さん！』
「目が覚めたんですね、体の調子はどうですか？」
『凄く良いですよ、今なら空も飛べます！』
うん割とマジだよね〜私今世でも羽赫が搭載されてたし。
「それにしても今回は大変でしたね、長期の上…相手が上弦だったなんて。」
全員欠けず帰ってこられて良かった…少し目を伏せて胡蝶さんは言う。
全員欠けず……という事は…！
『宇隨さんは、宇隨さんは大丈夫なんですか！？』
「ええ。今はまだ眠って居ますが命に別状はありません。ただ…」
禰豆子ちゃんのお陰だ…ん？なんだろう
「腕を切り落とされ、片目は失明。鬼殺隊は引退するしか無いようです」
『そうですか…』
やっぱりそれらの影響は大きいよな、
そしてそれは宇隨さんだけの問題では無い。
柱を一人失うと言うのは、鬼殺隊全体としてもかなりの痛手…。
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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜！ (2023年5月2日 19時) (
レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い！こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます！いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです！頑張りますううううううううう！！！ (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ！！！ (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2020年1月1日 21時
