今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。〜fifth〜【鬼滅の刃】

188話 ページ6

刀を振り上げ帯に突き刺した時、炭治郎くんが顔を歪めた。
……やばいんじゃないか？
そもそも彼は普通なら動けないレベルの怪我負ってるんだよ。
今こんなに順応しかけているのが可笑しいくらいだ。
肩は私の着物の裾で止血してるけど、あんなに動いてたらまた溢れ出てくるに決まってる。
左腕は刀の柄に縛られて…そうやっておかないと、もう握ってられないんでしょう？
『…』
…早く決着をつけなきゃいけない



帯と血鎌の攻撃が続く。
私にも禰豆子ちゃんみたいな鬼に通用する血気術があれば…
帯は妹の鬼の一部だから燃やせば回復に時間がかかる。
だからその分一時的だけど攻撃の手が少なくできるのに…

宇随さんに向かう帯と血鎌を片っ端から弾いていく。
上手く弾ききれなくて何度も手足が飛んで行った。
私も回復には体力が使われるし、本当は良くないんだろうけど…
毒を受けてしまった彼には要らぬ動きはさせたくない。
炭治郎くんには宇随さんの背後を任せたが、彼も彼で出血が心配だ。



宇随さんの頭上へ迫った血鎌を受け流した、その時だった。
『！』
すぐ近くの屋敷の屋根に人影が見えた。
あれは……？
こんな状況下、あんな危険な場所に居るんだ。
恐らく一般人では無いが…では一体誰だ？

疑問に思えば、その人…その女の人は大きな箱のようなものを展開させる。
大きく開いたそれに入っていたのは……クナイ。

((ビィィイインッ
『！』
弦が弾かれるような音が響きクナイが兄目掛けて一斉に放たれる。
クナイ…という事は忍の人？
あ！宇随さんの奥さんの方か！

兄に向かい飛んでいくクナイ。
かなり広範囲のものだったから宇随さんにも当たりそうだ
彼に当たりそうな物は弾いて、まあ私には当たっても効果無いし…

……いや、待てよ
私に効果無いなら、つまりは兄の鬼にも効果は無い。
だって鬼だもの。回復できるもの。
それを遊郭に潜入までしていた奥さんが知らない訳が無い
今この状況、次の標的が自信に向く危険もあると言うのになぜ攻撃した？

『っ』
…あのクナイ、絶対何か仕込んである。
宇随さんに当たるクナイを弾くふりをして、自分も攻撃を受けないよう立ち回った。
だが兄も私と同様の考えに至ったのだろう、当たる直前に血鎌の斬撃で天蓋を作るとクナイを全て弾いてしまった

兄の斬撃が途切れた途端、突っ込みに行く宇随さん。
兄はすぐに対応し鎌を頭目掛けて振るった。
だがそれを交わした彼は低い姿勢のまま刀を横へ…
兄の両足を斬り落とした。

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