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ページ8

俺は女の前にしゃがみ込み目線を合わせる。
そして震える女の頭をガッと掴んだ。
「っ」
鬼を前にした時よりも怯えてるように見える
俺の絶対零度の視線が突き抜けた。

『…なぁ、お前ぇ今俺に礼を言ったよな、俺が助けてやったと思ったのかィ?』
女の目から涙がポロポロと零れた
うっわ汚い…
都合のいい事を考える脳味噌の持ち主だ。
今までどんな甘い環境で生きてきたんだろう

『んな訳ねぇだろ。どうして俺を身代わりしようとした奴を、俺が助けなきゃァいけねぇんでィ』
女の髪をグシャリとさせる。
『…今ァまだ真夜中になったばっかだ。夜が開けるにはまだ何時間もある……お前ぇいつまで生きてられっかねィ』
俺の顔が女の恐怖で見開かれた瞳に映る。
瞳孔が開ききった目からは絶えず涙が溢れていた。
女はやっと意味を理解した様子だ。

俺は女の頭を乱暴に離す。
乱れた髪の間から覗く目は、俺を捉えたまま
「…お、お願い…許して……」
許しを乞い手を伸ばしてくる。
それを払い除けると俺はスタスタとその場から離れた。
「ま、待って…!お願い…」
あーうぜぇ、うるせぇ、

俺の願いとしては夜が開ける半刻前くらいになってから鬼に食われて欲しい。
できるだけ長い間、いつ来るのか分からない鬼の恐怖に怯えてもらいたい。
先程の大型の鬼を斬らずにおいても良かったが、それだとすぐ喰われて終わってしまう。
殺す、という行為は時として救いとなる
『せいぜい長く苦しんでくれィ』









『……藤の花…』
あの後気がつけば数時間経過し、今俺の眼前には藤の花が広がっている。
花に日光が当たり、向こう側から藤が明るくなって行く。
…そうか7日経ったのか。
つまりはこの藤の花を抜ければ選別は終了という訳か。
『…はぁ』
あー長かったな、7日は。やっと終われる。

右袖に付いていた土を軽く払いながら藤を抜ける。
特に怪我もしていないし、汚れているのはそこだけだ。
結局技を使ったのは数回。
雑魚過ぎてほとんど型無しで殺せた。
何人残ってんのかな、初めは20人くらい居たように見えたから……5人くらいかな

視界が開けたと思えば、そこは7日前の開けた所。
「お帰りなさいませ」
前と同じ双子の少女が声をかけてきた。
サッと二人から視線を外して辺を見回す…が
そこに居たのは一人だけだった。
7日前俺が目をつけた、あの目つきの悪い男。
やっぱ生き残ってたか

『…』
だが、ソイツ以外居ない。
オイオイまさか本当に俺ら二人だけ?
皆死んだ?

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まどろみ(プロフ) - 藍季さん» 応援ありがとうございます!更には型の名前まで...感謝しかないです!ぜひ次の主人公の戦闘シーンで使わせて頂きます! (2020年3月14日 20時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
藍季 - ありきたりで、意味を見ると微妙な感じですが、よかったらどうぞ。ご参考までに。(なんか偉そうですみません。長文失礼しました) (2020年3月14日 14時) (レス) id: 74027efe9c (このIDを非表示/違反報告)
藍季 - あと、蛍の呼吸の型の名前なのですが「蛍火」なんてどうでしょうか。煉獄さんの継子的存在なら火や炎を表す言葉も組み合わせた方がいいかと考え、思いつきました。 (2020年3月14日 14時) (レス) id: 74027efe9c (このIDを非表示/違反報告)
藍季 - 初コメ失礼します。とても好みな小説です。獪岳も江戸っ子口調も大好きなので嬉しいです。これからも気楽に更新頑張ってください。応援しています!  (2020年3月14日 14時) (レス) id: 74027efe9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まどろみ | 作成日時:2019年12月15日 0時

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