検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:16,744 hit

ページ6

そうやって6日目の夜を過ごしていた時、
「ーーー!ーーー、」
少し向こうで物音と誰かの声が聞こえた。
川沿いを進んでいた俺は、思わず「おっ」と声が出る。
久々の生存者か?
どんな奴だろ、今日まで生き残ってんだからソイツはもう生き残りほぼ確定だろうし

俺は興味本位に近づいてみる事にした。
…だってずっと一人で山に居て暇だし……
近づくにつれて聞こえてくる声。
あまり音を立てないように木の影から見てみる…と
「あ、あぁ…」
「グヘヘ…喜べ、ここで俺に喰われることを!」
『…』

…。
俺は一旦木の影に姿を隠す。
…うん、今ね、絶賛鬼に食われちゃう直前な感じだった。
ガタガタ震えている女の子、そして目の前には大型の鬼。
女の子は両足を折られていて、刀も離れた所に落ちていた
まさに絶体絶命☆
今日まで残ってるわけだし、そこそこ強かったのだろうけど…まあ何かやらかしてしまったんだろう

うーんどうする?助ける?
俺あの子と何の関わりも無い赤の他人だけど…
ここは普通なら助けるべき、なんだろう。
でも別に俺に何の利益も無いし…
『…』
ま、いっか。助けてあげよう
あの鬼、大型だけど今の俺なら大丈夫だろう。
利益は無いとは言いつつも、助ければ俺はあの子の命の恩人と言う事になる。
今後あの子が鬼殺隊になるなら、その恩は後々どこかで使えるかもしれないし…
『(あと俺今暇だからな)』

よし、と決めると俺は再度木から顔を出す。
すると今度は震える女の子と目が合った。
恐怖一色の瞳が俺を写す。
おーおー安心しろ、俺は今優しいから助けてあげるよ。
そんなに怖がりなさんな
それを伝えようと口を開きかけた、その時
『俺「おい鬼!お前の後ろにも餌は居るぞ!」



『…は?』
「グヘヘ今度は男か!運のねぇガキだ。この俺に見つかっちまってなあ…!」
女の子は俺を視界に入れた途端、大声で叫び俺を指さした。
鬼はぐるりと振り返り舌なめずりをする
俺はと言えば、一瞬意味がわからなくてポカンとしてしまった。

……は?
嘘だろ、この女…俺の事を売りやがったな?
俺に向かって鬼に気づかれぬよう「逃げて」「助けて」を言うのではなく、初めから俺を自分の身代わりの餌にしやがった。


鬼は俺の方に近寄ってくる
女は足が折れていてすぐに逃げられないから。
女の魂胆としては…俺が鬼から逃げて、鬼は俺を深追いしその隙に自分は隠れるつもりだろう
折れていても呼吸を使ったりすれば多少の無理はできるし、今夜乗り切れば勝ちだから

.

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主 , 獪岳
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まどろみ(プロフ) - 藍季さん» 応援ありがとうございます!更には型の名前まで...感謝しかないです!ぜひ次の主人公の戦闘シーンで使わせて頂きます! (2020年3月14日 20時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
藍季 - ありきたりで、意味を見ると微妙な感じですが、よかったらどうぞ。ご参考までに。(なんか偉そうですみません。長文失礼しました) (2020年3月14日 14時) (レス) id: 74027efe9c (このIDを非表示/違反報告)
藍季 - あと、蛍の呼吸の型の名前なのですが「蛍火」なんてどうでしょうか。煉獄さんの継子的存在なら火や炎を表す言葉も組み合わせた方がいいかと考え、思いつきました。 (2020年3月14日 14時) (レス) id: 74027efe9c (このIDを非表示/違反報告)
藍季 - 初コメ失礼します。とても好みな小説です。獪岳も江戸っ子口調も大好きなので嬉しいです。これからも気楽に更新頑張ってください。応援しています!  (2020年3月14日 14時) (レス) id: 74027efe9c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まどろみ | 作成日時:2019年12月15日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。