今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。【鬼滅の刃】

39話 ページ42

肺が苦しい。
息ができない。
…ていうかオイ、骨がギリギリ言ってるんだが
潰す気？ふざけんなよ派手男。筋肉ダルマ

「出てこい鬼ィィお前の大好きな人間の血だァ！」
そうこうしている間に傷だらけ男は禰豆子ちゃんの箱に刀を突き刺した。
箱に穴が開き戸がひん曲がる。
『っ』

(バキャ
箱が盛大な音を立ててぶっ壊れ、中から禰豆子ちゃんがゆっくり立ち上がった
「フゥ、フゥ…」
荒い呼吸を繰り返しながら、目の前に差し出された腕を凝視して動かない。
禰豆子ちゃん…！
どうかそのまま耐えてくれ。
もしも本能に負けてしまえば…
想像して指先が冷たくなった。
もし仮にそうなってしまった場合、いやたぶんなる前に私のフルオートであの男をぶっ飛ばす気でいるけど……

もしも禰豆子ちゃんが殺されてしまったら、私はもう自分を抑えられる気がしない。
前世でも今世でも私は人間の敵で。
わかっている、人だって自分達のためにそうしないと殺されてしまうから狩りに来るのだと。
だけどそれはこちらも同じなのだ。
私は今鬼だけど人を食べず耐えられる。
しかし前世では違った
だけど、でも仕方ないじゃないか。
人間しか食べられないんだから。
食べないと暴走してしまうのだから。
…それでも私は人間が好きだった。
だから今世で耐えることを選んだ。
……だけど今目の前で人間の勝手な事情で禰豆子ちゃんが殺されてしまえば…
『(私は今度こそ人間を嫌いになってしまう)』



「伊黒さん強く抑えすぎです。少しゆるめてください。」
「動こうとするから抑えているだけだが？」
胡蝶さんの優しい言葉。
私あなたのこと嫌いとか言ったの撤回するよ
炭治郎くんを楽にさせようとしてくれてる。
それに比べて何なの蛇男、嫌な態度だ

胡蝶さんは続けて、肺を圧迫した状態で呼吸すると血管が破裂すると言う。
…私破裂しかけてるってことじゃん。まあでもどうせ治るしいっか
「血管が破裂！！いいな響き派手で！！よし行け破裂しろ」
馬鹿なのかなこの人。
私の頭上で高々と叫ぶ男は、もうそれ炭治郎くんに死ねと言うようなものでは無いか
「可哀想に…何と弱く哀れな子供…南無阿弥陀仏…」
こちらの涙腺崩壊男も似たようなものだ。お経唱えてるし

…と、そんな時。
「竈門くん！！」
！！
炭治郎くんが無理やり呼吸を始めた。
胡蝶さんの制しも聞かずに、呻きながら顔を上げる。
……そして、
(ブチィィッ
『！』
なんと縄を引きちぎった。
…え嘘でしょ君…
血管は？タフすぎでしょ…


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