36話 ページ39
傷だらけ男と眼力やば男だ
後者の眼力やば男の言うことはわかる。
私だって死んだ人が戻らないことは知っている。
人間が脆く、回復もしないし簡単に死んでしまうことも知っている。
だから鬼を認められないのもわかる。
…だけど、傷だらけ男の言うことはどうなんだ
勝手に死に腐れ、なんて。
私は元柱の人や冨岡さんのことをほとんど知らない。
だけど二人が炭治郎くんのことをちゃんと思って、そして決意表明しているのだ。
それなのにこの男は、まるで2人の命など何の意味もなさないというような発言。
鬼ひとりに、3人の命もかかっているのに。
「人を襲わないという保証がない。証明ができない。…ただ」
穏やかに言う御館様
「人を襲うということもまた証明ができない」
『!』
…なんて理屈だ。
私としては嬉しいことだ。
ここまでして御館様も言ってくれる。
けれど鬼は基本人を襲うものだ。
人が肉や魚を食べると同様、鬼は人を食べる。
食物連鎖の中で人間は頂点でなかった。
それだけの話で、矛先が人間だっただけで、それほど私からしても当たり前のことなのだ。
…もちろん私や禰豆子ちゃん、珠世さんや愈史郎さんなど例外もあるが
御館様は禰豆子ちゃんに人の命がかけられていて、それを否定するためには"それ以上"のものが無ければならないと言う。
「……それに炭治郎は鬼舞辻とも遭遇している。」
浅草でのことか。
鬼舞辻無惨…今は一体どこへいるのだろう。
「!?」
「そんなまさか…!」
「柱ですら誰も接触したことがないというのに…!」
「こいつが!?」
え、なに急に凄い乗り出すね。
どうやら鬼舞辻は何年も鬼殺隊の前に現れておらず、トップの柱でも会ったことがないと言う
そして先程までとは一変して全員で炭治郎くんを囲い出す柱たち。
一斉に質問攻めされてる炭治郎くん大変そう…
というかそんなに鬼舞辻の情報が大事なら、私だって会ったことあるぞ。
「鬼舞辻は何をしていた!?」
「おい答えろ!!」
よしA、炭治郎くんの助太刀します
『私だって会ったことありますよ!わかることは全て話します。鬼舞辻は絶対的恐怖で震える人間を前に弄ぶのが趣味らしいです』
私は高らかに言う。
あの時の鬼舞辻完全に楽しんでたもんな。
私の額に指さして、この量の血にも耐えるかとか言ってたよね
…でも
私が言い切ると同時、なぜだか静まりかえるこの場
「A、A……今鬼舞辻の名前を…」
『あ』
炭治郎くんに言われて慌てて口を覆う。
時すでに遅し。
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まどろみ(プロフ) - 猫宮さん» ありがとうございます!! (2019年11月24日 17時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - こーいう作品大好き!かまぼこ隊も大好き!最高! (2019年11月14日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - kori1224さん» ありがとうございます!ゆっくりですが毎日更新目指しますね! (2019年9月28日 8時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
kori1224(プロフ) - こう言う作品好きです!更新頑張ってください!!! (2019年9月25日 22時) (レス) id: 6a27cb7555 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - あんこさん» ありがとうございます!その言葉だけで更新頑張れます! (2019年9月9日 15時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まどろみ | 作成日時:2019年8月29日 21時