今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。【鬼滅の刃】

35話 ページ38

キタコレ、キタコレ！
もう勝ちよ
だって皆さん、あの御館様が言ってるんだよ？(←ついさっきまで何も知らなかった奴)
いくら柱とはいえ逆らえないでしょう！うん
私が心の中で歓喜したのも束の間。
そんな甘い話ではなかった
それほどまでに鬼は憎まれ、存在を否定されてしまう生き物なのだ。
生きていてはいけないものなのだ。

「ああ…たとえ御館様の願いであっても私は承知しかねる…」
「俺も派手に反対する鬼をつれた鬼殺隊員など認められない！」
おっと？反対するじゃんこの人達
「私は全て御館様の望むまま従います」
「僕はどちらでも…どうせすぐ忘れるので」
「信用しない信用しない。そもそも鬼は大嫌いだ」
「心より尊敬する御館様であるが理解できないお考えだ！全力で反対する！」

今のところ構図的には…反対派の派手男、涙腺崩壊男、傷だらけ男、蛇男、眼力やば男。
中間的な立ち位置のボインさん、気だるげさん、胡蝶さん。
賛成派は冨岡さんだけだろう。
みんな凄い反対するじゃん、なんなの御館様なのに？

「鬼を滅殺してこその鬼殺隊。竈門・冨岡両名の処罰を願います」
極めつけに、またもや口を開く傷だらけ男。
どんどん不安になってくる。
御館様さえクリアすれば平気かと思っていたけれど、これはかなり危ない状況だろう。

「では手紙を」
…手紙？
御館様の言葉で双子の一人が短冊の形に折りたたまれた手紙を広げる。
「こちらの手紙は元柱である鱗滝左近次様から頂いたものです。」
元柱？炭治郎くん、そんな人と知り合いだったのか

一部抜粋して読み上げられる手紙
内容は禰豆子ちゃんが強い心で常に理性を保てること、飢餓状態でも人を食べないこと、そして……
もしも禰豆子ちゃんが人を襲った時は竈門炭治郎及び、鱗滝左近次・冨岡義勇が腹を斬る。という事…

炭治郎くんはとても驚いたような顔だ。
私も驚いた。
元柱の人、現柱の人達に「無害の鬼」として認められ、更には命をかけるほど信用されている。
禰豆子ちゃんが襲わなかったという事実もあるが炭治郎くんの人柄というか…前向きな信念などもあるだろう。
炭治郎くんは信じられる。
出会って少ししか経たない私だけど、彼は嘘なんて吐かないとなぜだか言いきれるのだ。

…だが、
「切腹するから何だと言うのか死にたいなら勝手に死に腐れよ。何の保証にもなりはしません」
「不死川の言う通りです！人を喰い殺せば取り返しがつかない！殺された人は戻らない！」









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