画面越しの気持ち。

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でも、朝になっても返事は来なかった。








時間を見つけては大学内で彼の姿を探すけど、今日は1度も見ていない。








授業中もそわそわしすぎて裕翔に心配されたくらいだ。








結局その日は、夜になるまで有岡くんと関わることは無かった。








風呂から上がると、画面が光っている。









「誰だ…って有岡くん？」









そこに映されたのは『大貴』の文字。








名前の後に犬の絵文字を付けているところがなんとも彼らしい。









『返事遅れてごめんね』








『山田くんに2回も助けてもらっちゃったし、お礼がしたいんだけど…』








『どこか行きたいところとか、ない？』








「行きたいところか…」









大学では誰も声を聞いたことがない、ちょっとした有名人の有岡くんとこうやって連絡を取っているということに少なからず優越感があるわけで。








でも有岡くんの存在を教えてくれた裕翔にすら秘密ってのも罪悪感があって。








出かけるのはもちろん嬉しいんだけど、俺と一緒にいていいのかなと不安になる。









『お礼なんて、ほんとに大丈夫ですよ？』








『それに、俺と一緒にいることを大学の人に見られたら有岡くん困りませんか？』









少し素っ気ないかもしれないが他の言い方も見つからないし。








心の中で言い訳をしてそう送った。









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