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«紫耀side»
「旦那。隣の男に見覚えは?」
「ないよ」
「恐らく、廉殿の友達…」
「それが妥当やな」
ずっとこのキャラで尾行するらしいが、普通に見ている俺が恥ずかしい。
「しかし…貴重な時間を割いた故に、彼氏である平野の誘いを断るとは。それほど優先度が高いんやろか…」
「廉殿も隅には置けませんねぇ」
「よし。俺が近付く。お前らは、後ろをゆっくり着いてきてや。変な動きはせんといてよ」
海人が2人の近くまで近付いていき、バレないかとヒヤヒヤしながら後ろから見守る。
「平野。俺、あかんこと考えてしもうたわ」
「何それ」
「ちょっと2人の会話聞こえてん。廉、今日『も』ありがとう言うとった。つまりやで?今日が初めてやないってことや。あの2人、何度も会っとるわ」
「は?いつ?廉、仕事あったんだよ?」
「そもそもそれが嘘だったりするんじゃないっすか?仕事だって言って、あの人と出掛けてたとか…」
「…あー。良いや。うん。帰るわ」
「え?」
踵を返して帰ろうとする俺の腕を神が掴む。
「本当に帰るの?ほら、前の海人みたいに間違えたかもしれないし…」
「いや、普通に辛い。このままずっと見てたら、廉に酷いことしちゃいそう。それぐらい、嫉妬してるし腹立ってるから」
さっきまでのキャラになりきるのも忘れ、サングラス越しでも心配そうに見ているのが伝わる。
「紫耀!廉は、そういうこと絶対にしないよ!」
「分かってるよ。あいつ、そんなに器用じゃないし。明日、廉に聞いてみるよ」
「紫耀…」
神の手をやんわりと振り払うと、俺は心の中にモヤモヤを抱きながら自分の家に急いだ。
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ゆう(プロフ) - お返事ありがとうございます。これからも更新楽しみにしてます! (2022年12月9日 3時) (レス) id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
マイ。(プロフ) - ゆうさん» 楽しく読んでくれてありがとうございます!私もそう言っていただけて嬉しいです! (2022年12月8日 18時) (レス) id: d73d324288 (このIDを非表示/違反報告)
マイ。(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます!お褒めいただき光栄です!その後のストーリーまで、少々お時間をください! (2022年12月8日 18時) (レス) id: d73d324288 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝見させていただいております。しょうれん恋愛攻防戦続編ずっと楽しみにしていたのでとても嬉しいです。 (2022年12月8日 10時) (レス) @page6 id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - しょうれん恋愛攻防戦続編最高でした。結ばれた二人のその後を妄想してニヤニヤがとまらないです。いつかその後のストーリーを書いていただけないでしょうか? (2022年12月8日 8時) (レス) @page6 id: 951e96d6ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マイ。 | 作成日時:2022年12月8日 7時