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«廉side»
「ま、まぁまぁ…そんなに怒らなくても…」
「俺は廉と話してんの。邪魔すんなよ」
「はい…」
勇気を出して止めようとした神にもこの有り様で、誰も紫耀の怒りを鎮めることは出来ない。
「こうなる前に、ちゃんと躾しとくべきだったな」
「え、」
紫耀に腕を引っ張られて、そのまま空いている楽屋に連れ込まれると、鍵を閉められてソファに押し倒された。
「俺が何度も伝えてきたこと、お前にはちゃーんと伝わってないようだから」
「紫耀…?」
「口で伝えても理解出来ないなら、体で理解させる。頭で理解出来ないなら、体に理解させる」
そう言って紫耀は、俺の服に手を入れて体をまさぐり始めた。
そして、冒頭に至る。
「別れたいって言われて、ジャニーズ辞めるって言って、それで俺がどうぞってお前を手放すと思った?だとしたら、とんだ見当違いだな」
「ちが…っ、紫耀、聞いて…!」
「もう二度とそんなこと言わねぇように、俺がゆっくりと躾てやるから。俺はお前を絶対に逃がさないし、お前は俺から絶対に逃げられない。諦めろ、廉」
俺の体を触る手に拍車がかかり、こんなところでという恥ずかしさから、思わず紫耀のお腹を殴ってしまった。
力が入らず軽くだったが、めちゃくちゃ痛がってる。
「ごめん…!」
「そんなに嫌かよ、俺が」
「嫌なんて…」
「去る者は追わずの俺だけど、お前だけが離れるのは無理なんだよ。耐えらんないんだよ」
さっきまでの獣のような雰囲気とはうってかわり、縋るような目で俺を見る紫耀。
もう心が痛くなって。
「ごめんな、紫耀」
「廉…」
「これ、ドッキリやねん」
「へ…?」
「やから、ドッキリ。俺、紫耀とも別れへん。ジャニーズも辞めへん。海人がな、やろうって言うから」
そう言うと、紫耀は大きく長いため息をついて床にゴロンと身を投げ出した。
「何だよ…マジ焦ったじゃん」
「騙してごめんなぁ。でも、紫耀に愛されてるってめちゃくちゃ思った。ありがと、紫耀。引き留めようとしてくれて」
「当たり前だろ。マジでもう辞めて、本当に。後で海人は説教だな」
紫耀は体を起こすと俺を優しく抱き締めて、俺もそれに応えるように抱き締め返した。
「でもまぁ…廉がガチでこんなこと思わないように、しっかり分からせておかないとだよね」
「え…?」
「朝まで。頑張ってね、廉」
サーッと血の気が引いていくのを感じた。
〜END〜
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ゆう(プロフ) - お返事ありがとうございます。これからも更新楽しみにしてます! (2022年12月9日 3時) (レス) id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
マイ。(プロフ) - ゆうさん» 楽しく読んでくれてありがとうございます!私もそう言っていただけて嬉しいです! (2022年12月8日 18時) (レス) id: d73d324288 (このIDを非表示/違反報告)
マイ。(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます!お褒めいただき光栄です!その後のストーリーまで、少々お時間をください! (2022年12月8日 18時) (レス) id: d73d324288 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝見させていただいております。しょうれん恋愛攻防戦続編ずっと楽しみにしていたのでとても嬉しいです。 (2022年12月8日 10時) (レス) @page6 id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - しょうれん恋愛攻防戦続編最高でした。結ばれた二人のその後を妄想してニヤニヤがとまらないです。いつかその後のストーリーを書いていただけないでしょうか? (2022年12月8日 8時) (レス) @page6 id: 951e96d6ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マイ。 | 作成日時:2022年12月8日 7時