・ ページ29
«紫耀side»
こんな廉だから、俺が心配性になるのも無理はない。
自分がどれだけ魅力的なのか、どれだけの男を惑わせる力があるのか、そろそろ自覚して欲しいところではある。
「まず廉はさ、周りを疑うことから始めようよ」
「疑う…？」
「この人は信用出来るかとか、この人は危ないなとか。見極めて関わりを持てっていう話」
廉の乾いた髪を撫でて、毛先で遊ぶ。
「えー…俺、みんなと仲良くなりたいんやって。人のこと疑うとか、その人が可哀想やろ。俺には出来ひん」
「そんな甘い考えしてるから、廉は付け込まれるの！良い！？男は狼、獣なんだよ！廉の華奢な体じゃ、押し倒されたら終わりだからね！？」
「そんなことするやつ居らんやろ。大体、男やで？俺」
「男だから何よ。仮にも俺は男の廉と付き合ってるし、押し倒したりしてるよね？」
「それは紫耀やから…」
モゴモゴとそう口にする廉の言葉には、俺に対する絶対的信頼が含まれていて。
優越感を感じた。
「ていうかさぁ…この前だってそんなこと言っておきながら、変態野郎に襲われかけてたのはどこの誰だっけ？」
「あ、あれは…調子が悪かっただけやし…」
「何の調子だよ。また同じ目に遭うよ、そんなんじゃ」
「でも、もう見なくなってん。あのカメラマンさん」
そりゃあ、俺が裏で手を回して辞めさせたからね。
結構前まで廉のことをやたら気に入っているカメラマンさんが居て、その時はまだ廉の良さが周りに伝わったのかぐらいにしか思っていなかったんだけど。
ある日から、そのカメラマンさんの廉を見る目が変わって、色を含んだものになっていって。
それにはさすがのメンバーも気付いて危機感を覚えたらしいが、肝心の廉だけは何も気付いていなくて。
撮った写真を確認する時も、腰に手を回していやらしい目つきで廉を見たり。
それに廉は何とも思ってないのか、「これええですね！」なんて相手に笑いかけていて。
多分、同類の距離感バカなんだろうなぐらいにしか思っていなかったんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 950人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう(プロフ) - お返事ありがとうございます。これからも更新楽しみにしてます！ (2022年12月9日 3時) (
レス) id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
マイ。(プロフ) - ゆうさん» 楽しく読んでくれてありがとうございます！私もそう言っていただけて嬉しいです！ (2022年12月8日 18時) (レス) id: d73d324288 (このIDを非表示/違反報告)
マイ。(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます！お褒めいただき光栄です！その後のストーリーまで、少々お時間をください！ (2022年12月8日 18時) (レス) id: d73d324288 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝見させていただいております。しょうれん恋愛攻防戦続編ずっと楽しみにしていたのでとても嬉しいです。 (2022年12月8日 10時) (レス) @page6 id: 05d34f6d93 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - しょうれん恋愛攻防戦続編最高でした。結ばれた二人のその後を妄想してニヤニヤがとまらないです。いつかその後のストーリーを書いていただけないでしょうか? (2022年12月8日 8時) (レス) @page6 id: 951e96d6ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マイ。
| 作成日時：2022年12月8日 7時
