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«紫耀side»
紫「廉にさ、「このままでええの?」って聞かれたの」
岸「どういうことなの?」
紫「廉、俺の考えてることに気付いてるんじゃないかって」
俺の言葉に更に岸くんが不思議そうな顔をした。
紫「俺、最低なんだ。廉と付き合ってるのが辛くて苦しくて、別れた方が楽だって考えてる」
岸「は?」
岸くんの低い声。
そりゃあ、そうだよな。
廉はちゃんと俺のことが好きなのに、俺は別れたいだなんて。
紫「廉も俺と付き合ってるの辛そうだし、廉の為に別れる方が…」
岸「紫耀、本気で言ってるの?」
岸くんの鋭い目が、俺を見据えた。
岸「それってさ、廉の為じゃなくて自分の為だろ?」
紫「岸くん…」
岸「廉を守るのがお前の役目じゃねぇのかよ」
紫「………」
岸「俺達に付き合うこと報告した時、言ったよな?「何があっても守る」って。その言葉、嘘なのか?」
紫「本当だよ。でも、俺はガンから廉を守ることは出来ない…」
岸「違ぇだろ。廉を近くで支えるのも「守る」ってことになるんじゃねぇの?少なくとも俺はそう思ってるけど」
廉のことは愛してるし、出来れば別れたくない。
近くで支えていきたいし、廉の隣に居たい。
でも、何で?
何で、別れたいとか思っちゃうの?
岸「辛い苦しいって口にしてるけど、1番そういう思いしてるのは廉なんだぞ。紫耀が別れを切り出したら、あいつはどうなるんだよ。廉の彼氏だろ?ちゃんと考えてやれ」
紫「………」
岸「俺、廉に自分の気持ちを伝えた紫耀はかっこいいなーって思ってたよ。でも今の紫耀は、最低で…かっこ悪ぃから」
岸くんはそう吐き捨てると、ソファにドサッと座ってスマホを弄り始めた。
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マイ。(プロフ) - あさ、さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!新作、楽しみに待ってて下さい! (2020年12月5日 18時) (レス) id: de53883f34 (このIDを非表示/違反報告)
あさ、(プロフ) - お疲れ様でした!この小説ができてから更新がずっと嬉しくて、私の楽しみになってました!新作楽しみにしています! (2020年12月5日 16時) (レス) id: e213d1237a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マイ。 | 作成日時:2020年11月28日 0時