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«紫耀side»
紫「廉…?」
呼びかけても返事はなく、握られている廉の手からは力が抜けていき、ダランと下に下がる。
海「あ、紫耀!」
思わず病室から飛び出し、病院から外に出る。
外では雨が止んでいて、虹がさしている。
信じられなかった。
いや…信じたくなかった。
廉が死んでしまったなんて。
夢だと思いたくて街を走り回って、廉を探した。
でも、廉はどこにも居なくて…。
本当に夢じゃないんだって、思い知らされた。
紫「あ、ここ…」
気付けば、廉の家の前に辿り着いていた。
フラフラと吸い寄せられるように、廉の家の中に入っていく。
紫「廉、不用心。鍵開いてるんだけど」
廉って、抜けてるところがあるからな。
廉の家の中はいつもと変わらず、やっぱり本当は生きてるんじゃないかって思ってしまう。
ふと、テーブルの上を見ると1冊のノートを見つけた。
紫「何だろう、これ…」
捲ってみると、廉の文字で日記が綴られていた。
紫「小学生みたいな字だな…」
まぁ、俺も言えないんだけどね。
×月× × 日。
最近、吐き気とか動悸が凄いから、病院に行ったら「末期ガンだ」って言われた。もう手の施しようがないって。もっと早く行ってれば良かったんかな。俺、まだ死にたくない。
廉、結構前から末期ガンのこと抱えてたんだ…。
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マイ。(プロフ) - あさ、さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!新作、楽しみに待ってて下さい! (2020年12月5日 18時) (レス) id: de53883f34 (このIDを非表示/違反報告)
あさ、(プロフ) - お疲れ様でした!この小説ができてから更新がずっと嬉しくて、私の楽しみになってました!新作楽しみにしています! (2020年12月5日 16時) (レス) id: e213d1237a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マイ。 | 作成日時:2020年11月28日 0時