狂犬と飼い主【相良猛】

所で吠える犬はない ページ41

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「前は相良くんの事ただの友達だと思ってたから
そうやって喧嘩売られても適当にあしらってたけど
今の私は本気で好きだから！わかったか！！」






はぁ…はぁ…と私の息の漏れる音だけが響く





今までにないくらい
言いたい事早口で言った気がする





相良くんに対する気持ちも全部
言っちゃったけど全然後悔してない。








「相良くん帰ろ！」






呼吸を整えた後
もう相手が立ち直る事もなさそうなのを
確認して相良くんの方へ小走りで向かった





さっさとこの倉庫から出よ〜と呟き
ドアを開けると視界はオレンジで
さらに外の空気が一気に押し寄せてくる






「暑っ！」






夕方なのに腹立つくらい暑いな！
半袖のセーラー服全然意味ないから！

そんなこと言ったら相良くんなんてもっと
暑いよねと思って相良くんの方見たら








「…」





「あれ、相良くんの方が熱中症なんじゃないの？」








反応も無しに一点を見つめる
相良くんのおでこに手を当てようとしたら


その寸前でぱし、と手首を掴まれた







「嫌って言っても離れられねぇからな」





「…いいよ、相良くんなら」









「ハッ、まず血ぃ拭けって」






どうりでなんか視界が悪いと思ったら
まぶたの所から血が出てたことを忘れてた


軽くティッシュで拭き取ろうにも
もう血が固まり初めてて上手く取れない









「あ"っ！」




「ンだよ」





「顔に傷が出来たらお嫁に行けなくなるって
言うじゃん知らないの！！」






え、何その呆れた顔！
私が超困ってるって言うのに
本当乙女心を理解してない人だな









「俺が貰ってやるから安心しろ」




「組に入らずちゃんと働いてね」




「へーへー」

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