狂犬と飼い主【相良猛】

死んだ犬が噛み付くことはない ページ24

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「何の用だ相良」




智司はここに来るのを1度断ったくせに
後から何をノコノコと来てんだと言いてぇんだろうが
俺がただ茶を飲みにこんなとこ来るわけねぇだろ





「岸田が栃木のクソ野郎どもにやられた
開久で借りを返しに行くぞ」




「…場所はどこだ」



「二村が通りの橋の下ン所にいるってよ」





智司も岸田がやられたと聞いて
黙っていられなくなったのか
席をガタッと立ち上がった









「あ…ちょうどコーヒーが…」




店を出る気満々だった所に
Aが丁度お盆にコーヒーを乗せて
俺らんとこへ持ってきちまった




「智司、飲んでやれよ」




智司はあぁ、と言うと
お盆にあったコーヒーを手に取り
一気飲みをする



よく分からねぇが智司の一気飲み
し終わるのを俺らは見ながら待っていた









「美味かった、ありがとな」



「オラ、智司早く出んぞ」




智司がお盆にカップを置いた直後
早くこの店を出てぇ俺はそのお盆に千円札を1枚置く



そしてポケットに手を入れ直し
俺を先頭に店を出ようとした時だった









「みんな、相良くんがやり過ぎてたら止めてね」




「Aさん…！」


「分かりました！俺らが止めるっす！！」






チッ、余計なお世話だってんだよ

俺はあいつらの会話が聞こえていたが
特に何も言わず、舌打ちをしてドアを開けた

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