狂犬と飼い主【相良猛】

煩悩の犬は追えども去らず ページ22

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「相良さん…！」




路地裏で喧嘩売ってきたやつを
開久の野郎共でとことんシメてた時


フラフラと開久の制服を着た野郎が
路地裏の入口から入ってきて

よく見るとボロボロになった岸田だった




「オイ誰にやられた！」


「例の、2人、組っす…」




相当ひでぇやられ方してるから
岸田の言葉が途切れ途切れだがまだ
教えてもらわねぇといけねぇ事がある






「もう少し待て、そいつらについて何かわかるか」


「1人が、もう1人、を、富田って…言っ…」




「もういい、十分だ、ありがとな」




そう言うと岸田の意識は途切れた。

こいつは他の開久の野郎共に任せたが、
それにしても富田ってどこかで…









"狌犬は連れてくんな 富田"



…チッ、思い出した
あん時の頭の悪い果たし状送ってきた野郎か






「智司ンとこ行くぞ」



「でも、今Aさんのバイト先のサテンに…」



「栃木の野郎共を今潰さねぇと
後にAン所にも来る」









こんな形であいつのバイト先には
行きたくなかったがしゃあねぇ、

俺は開久の野郎共数人を連れてAの
バイト先へと向かった。







「いらっしゃ…ひっ！」


俺ら開久が集団で店入っちまったから
最初にこっち来た定員はビビるわ
他の奴らもザワザワするわでめんどくせぇ事になった






「ちょっと邪魔すんぜ」



俺がそう言って奥の席に入ろうとすると
店の偉いやつとAがこっちに来た






「な、なんで開久の連中がここに…」




「ほんとですよね。
相良くん私のバイト姿見に来てくれたの？」




「違ぇ、智司を呼びに来たんだ」





そう言うとAに分かりやすく
しょんぼりされちまった

だが今は栃木の野郎共を徹底的に
のして送り返してやらなきゃいけねぇから


アイツの顔をあまり見ないで
智司の席へ向かった

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