狂犬と飼い主3【相良猛】

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Aが記憶喪失って聞いた時は
流石の俺でも傷ついたわ



伊藤も俺もただ頭をぶつけたばっかりで
ちょっと混乱してるだけだと思ってたから
記憶が戻ることはねぇって言われてよ




もー最強の俺でも心に来たワケで
まぁ、1番心にきたのはアイツなんだろうが





ここ数日で、Aを失ってからか
今まではそれなりに穏やかだったもんが
急に崩れてまた凶暴な奴に戻っちまってよ


すぐ揉め事起こすようになって
怒りで容赦ねぇから相手は瀕死よ、瀕死


しかも1人で敵陣に突っ込んでも
全員ぶっ倒しちまうらしーぜ


たまたまアイツにやられた奴を通りかかって
見た時はとんでもなくかわいそーな状態で

ひぇー、、もう思い出したくもねぇ、



俺もいつ喧嘩売られるか
わかんねぇからチョー怖えしさぁ…







でもアイツはぜってー
Aちゃんに手は出さねぇから
俺はいい事を思いついてしまったのだ！




「というわけでAチャン、俺を守ってくんね？」



「え、割と嫌だ」



「えっ、わりわりわりとやだ！？」





お昼休み後、教室に戻る途中で
そうお願いしたら即断られた

ちょっとはさ…悩んでくれよ…





「だって三橋強いんでしょ」



「まぁ俺は、世界一！
どころか宇宙一！の最強だからな」





じゃあよろしくね、とAは
スタスタ行ってしまった


記憶ねぇくせに俺の扱い方をもう分かっていやがる！


前からそーだったけど
本当Aに頭上がる気がしねぇ


アレコレいっても結局
俺と仲良くしてくれる数少ない女子で

アイツが惚れんのもよく分かるっつーか





…んんんだがしかし！もう奴にはやらん！
あんな凶暴な奴Aの隣に置いておけねぇだろ！


万が一Aがまたアイツに心を
持ってかれても大丈夫なよう
運命の人だと思った奴は違うと釘を打っといた





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しばらくは俺と理子と時々伊藤と
よくいるメンバーで帰るって話になった



だが今日は理子も伊藤も家族絡みの用事が
あってAと2人で帰ることになってしまい
2人して足を引きずりながら歩いてる





「Aはなんか覚えてる事ねーの？」



「何かを見れば分かるかも、
入院中の事もよく覚えてないんだよね」




まぁ別に期待はして
なかったけど何となく聞いてみた

そしたらAは、あ！と何かを思いついたらしい

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