狂犬と飼い主3【相良猛】 (ページ26)

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「それとお前、よく見たら狂犬の飼い主じゃねぇか
失踪したって聞いていたがまさ｢あーーー！！！｣

「Aちゃん鬼ごっこしよう！
もちろん伊藤もやるよな！」

「あ、あぁ！」

ツッパリが私に色々言っていたけど
三橋の声によって遮られ
思わずうるさっ、と耳を塞いだ

"キョウケンノカイヌシ"って言ってたような…？

結局なんて言ってたか分からないまま
3人で鬼ごっこが始まった

「なんで急に鬼ごっこなんか」

「いくよ！いーち！にー！さーん！」

「さぁ！Aちゃんも逃げないと！」

「えぇ…？」

アイツ足速いから！なんて
伊藤くんまで乗り気でやっているものだから

既に5まで数えていたが
とにかく走ってその場から離れることにした

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商店街がある方へ走ってしばらく経つものの
三橋が追いかけてくる気配が全くない

伊藤くんもどこに逃げてるか分からないし
そもそもまだ続いてるのかすら曖昧だ

(ま、勝手にやめてもバレないか)

なんかあったら明日謝ろうと思い
身体を来た道の方へと向けて歩きだした

至る所にカップルがいていやでも視界に入ってくる
明日もどうせ一緒にどっか行くんだろうなって

何がイルミネーションだよ、なんて

彼氏がいない私はライトアップされていく
商店街の装飾を見てガックリと肩を落とした

商店街から抜けて家とお店が並ぶような所を
歩いていると頭になにか冷たいものが落ちてきて
それはしだいに数を増やし激しくなっていく

まるで傷心中の私に嫌がらせをするかのように
雪ではなく、雨が降ってきた

しかも結構強めの雨で制服がべちゃべちゃに
なるのも時間がかからなさそうだ

(もう！なんで傘を置いてきた日に限って！)

そう頭で文句を言ってても雨が止むことはなく
申し訳程度にカバンを頭に乗せ
小走りで雨宿り出来そうな所を探す

家も多いし見つからないかななんて
考えていると近くにタバコ屋さんがあって

誰か雨宿りしてるななんて思ったけど
1秒でも早く雨をしのぎたい私は
一目散にそこへと駆け込んだ

「あ、、、お久しぶりです…！」

「…。」

そこに居たのは雨に濡れて垂れてくる髪を
ウザったそうにしている相良サンで

彼を約1週間ぶりくらいに見た気がする