「役に立たない乃木くんと学校の怪談の話です☆」「役に立たなくないよ〜」

「それからあれからそれから」 ページ33

それから4ヶ月ほど経った夏の日
私は1人でお祭りに来ていた。
親に行ってみれば？と勧められたからだ。


「(人多いなぁ…)」




心の中で文句をこぼしながら
歩いていると射的屋を見つけた。
Aは射的は初めてで、
とても惹かれるものがあったのだろう。



お金を払い、おもちゃの銃に
コルクを詰めてミニ〇ンの
ぬいぐるみを狙って打ったが、
そう簡単には倒れずコルクがあと
一個になってしまった。




「１回」




隣に男性が立ったのが横目で見えながら
も気にせずにぬいぐるみを狙った時、
隣の人がミ〇オンのぬいぐるみに
弾を打つと、ぬいぐるみはパタリと
音もなく倒れていった。




「(誰か知らないけどミニオンの
ぬいぐるみ好きなのかな…)」




Aは最後の弾も外し、
隣の人が店の人からぬいぐるみを
貰うところを見た。




「…え」




人違いだったらどうしようとも
思ったが、間違いなくAの好きな人の
姿がそこにはあった。その人は
こちらを向いてAを目が合うと
歯を見せてニッコリと笑った。




「久しぶりだね、Aちゃん♥」




Aは嬉しくて店の前だったが
そんなことお構い無しに乃木に抱きつく。
一瞬驚いたものの乃木も抱きしめ返した。
数秒経ち、人がたくさんいることに気が付き
抱きつくのをやめ、歩き出した。




「あ、これAちゃんのために
取ったやつだからあげる♥」




「え、ほんと！？流石乃木くん！
まじリスペクトっす」

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