お願い、シュートは決めないで。【流川楓】 (ページ5)

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しばし強引にページ5

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湘北高校に入学してから早1ヶ月、周りの環境が変わっただけで俺は相変わらずバスケットの練習をしていた。

今日もなんてことないゴールを決め、一旦休もうと思った俺は先輩からタオルを貰って体育館の端っこに寄る

「「…。」」

汗を拭きながら何気なく入口の方を見ると、忘れもしない女の顔がそこにあった

A、なんでお前がここに…？

「…先パイ、部室に忘れ物してきたんで取ってきます」

「あら珍しいわね、行ってらっしゃい」

.

アイツは単純だし変なところに逃げてはいないだろうと思っていたら、案の定少し廊下を走った先にAはいた。

「A、、だよな」

「いえ違います。｣

私ってばルカワファンクラブの一員やってるんですよ！！キ、キャ〜ルカワくん！！

だとか自分は違うと言い張っているが、ウソつく時の癖がまんま出ていてそれを指摘するとあっさり観念していた

というか演技がヘタクソすぎて誰でもわかる

「なぜここにいる」

「なぜって、、親の都合でまたこっちに越してきたの
つい1週間前くらいに」

急にいなくなったかと思ったら、急に戻ってくるし、しかもそれが俺に伝えられることは1度もなかった

もう関係ないと言われ、出会って早々に突き放してきて

どこまでも自分勝手だが、怒ることも嫌いになることも出来ないのは別れてからもずっとこいつの事が好きだったからだろう

「…でも、何も言わずに消えたのは本当にごめん。
それも親の都合の引越しで関東からすら出てたの」

「…」

「もう会うことなんてないと思ってたからあれだったけど、まさか転校先にいるとは」

「…家が近かったから」

「あはは、変わってないね」

そう笑うAを見てお互い様だと思ったがそれは言わなかった。

ほんの少し言葉を交わしただけなのに昔に戻れた気がして、胸が締め付けられてるような感覚がする

もっと近づきたい。

もっと話したい。

あわよくば抱きしめたい。

「謝れてよかった、また"友達"として
仲良くしてくれたら嬉しいな」