お願い、シュートは決めないで。【流川楓】

いつか聞いた言葉 ページ28

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｢Aに手出したらぶっ殺すってんだろ、、！｣

｢リュウ…！｣






クソ、頭がフラフラする、さっき殴られたとこが痛え


それでもAに手を出すなんて聞いたらいても立ってもいられるわけ無くて、俺はAに近づいた奴を容赦なく殴った






｢るか…！｣

｢！｣






バン！！！とデカい音が鳴る

今ぶん殴った奴を見下ろしていたら、別の奴の腕が俺の首にかけられ、思い切り地面へと叩きつけられる。いつの間にか俺の視界は体育館の天井だった






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Aとは中1のころからクラスが一緒だったが、接点なんて全く無くてお互いに存在を知らなかった



そこから日が過ぎ、4月末。

体育の時間、男女別でバスケをしていた時のこと



｢ごめんなさーい！ボール取ってほしい！｣

｢…｣



女子側のコートからボールが転がってきて、それを追うように1人の女子生徒が駆け寄ってきた


普通に渡したつもりが力加減なんてものは分からず、ノーバウンドでボールを投げたら、間違えてそいつの顔面に当ててしまった




｢い"だい"！！！絶対鼻骨折した！！｣

｢そんなんでするわけねーだろ、どあほう｣

｢は？！まずごめんなさいでしょーが！！｣





ぶつけちまった責任で俺が保健室までAを連れてく事になり、こんだけ元気なら別に1人で行けるだろと心の中で思ったものの、またなんか言われたらめんどくせーしあえて言わなかった


この時初めてAと話して存在を知ったが、第一印象は、うるせー女、それ以上でもそれ以下でも無かった




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｢よろしく、流川くんだっけ？｣




バスケットボールの件以来、Aと全く会話をした事はなかったが、6月中旬、3回目の席替えでAと隣になった


クラスの奴のことを全然覚えてない俺は、最初コイツも例外ではなく、声をかけられたものの誰だっけこいつと頭に"？"を浮かべていた




｢無視しないでよ！鼻パンチするよ？｣

｢…あ、｣

｢何？｣

｢思い出した｣

｢嘘でしょ？忘れてたの？｣




鼻、という言葉でピンと来た。そういえば俺が前にボールぶつけちまって鼻血出してた女だ




｢相変わらずうるせー女｣

｢ちょっと！なに急に！失礼すぎるでしょ！｣

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