お願い、シュートは決めないで。【流川楓】 (ページ27)

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卑怯ページ27

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｢やめろお前ら…！｣

安田さんや自分自身がやられてもなお、宮城さんはやり返さなかった

それに対し、桜木くんと流川はこの騒動を｢誤魔化す｣｢揉み消す｣と言って、黙ってやられる気はないみたい

晴子ちゃんの止める声も届かず、流川は三井と呼ばれる人の前に立ちはだかった

｢…許さん｣

｢あ？｣

.

｢！！！！！｣

瞬間、ガン！！！！と鈍い音がなる

それは近くにいた相手の1人が、モップの硬い鉄の部分で流川の頭を殴ったことによるものだった

｢るかわ…｣

｢…ﾁｯ、どあほうが｣

｢るかわ…！｣

ポタポタと血が床に垂れていく。完全にキレてる、でもダメだ、流川をこのままにじゃ危ない。

咳き込んでも尚、腕を振り上げようとするから

｢かえで！！！！！｣

気づけば私は流川の名前を呼んでいた。

｢…ダメだよ。｣

大声を出したせいで喉がピリ付いている。

それと皆からの注目もあって、次に出た言葉は思ったよりも情けないものになってしまった。

｢分かった。｣

でも流川には声が届いていて、少し目を見開いた後いつも通りのトーンでそういったのが聞こえた。

｢ハハ！情けねえな！やり返してこいよ！｣

安心したのも束の間、流川に駆け寄ろうとしたら、相手側の三井と呼ばれる人が大声で挑発をしてきて、ピタ、身体が強ばる

｢うるせえ｣

｢ァ？…まあいい｣

流川のセリフにまた睨み合いが始まるかと思いきや、三井と呼ばれる人は視線をずらし、私と目をあわせてきた

｢お前がやらねえなら、こっちの女に相手してもらうだけだ｣

｢！｣

リュウ、と自分の仲間の1人を呼び、それに反応した黒髪の男が私の方へ向かってきた。…この人、さっき流川をモップで殴った人だ…！

｢おい！Aちゃんは関係ねえだろ！｣と止めようとしてくれる宮城さんには目もくれず、リュウという人がどんどん近づいてくる

私は恐怖で足が動かず、タダ目を固く瞑るしか出来なかった

｢…ｯ｣

バキッ！！と音が鳴ったけど、それは私が何かされたものではなく、何が起きたのかと恐る恐る目を開けた