お願い、シュートは決めないで。【流川楓】

ただいま ページ21

:





｢ナイスシュー！｣

｢よし！この調子だ！｣




色んな声が飛び交う体育館、私は今日も今日とて晴子ちゃん達と一緒に男子バスケ部の練習を見に来ていた


この間は陵南との試合があって、惜しくも負けてしまったみたいだけど(ちなみに私は用事で行けなかった)、今はインターハイに向けて練習をしているらしい







｢あら、じゃああのお店ってコーヒーが専門なわけじゃないのね｣

｢そうなんですよ、ココアとかミルクティーもありましたし｣


実はまだ晴子ちゃんのお兄さんが来ていないから本格的に部活が始まっていなく、私も彩子さんと他愛もない話をしてて全体的に緩い雰囲気がでてた

そんな時のこと






.







｢＿おう、ただいま｣



｢｢｢！！！｣｣｣





ガララ、と体育館の重めなドアの開く音がなりそちらを見れば、茶髪のパーマにピアスといかにもチャラそうな男の子が立っていた


周りを見れば、彼を知らない人はポカンとしてるし、知っている人は驚いた顔をしている、ちなみに私はポカン側


そして次第にあちらこちらから、宮城…帰ってきたのか…！と声が聞こえてきた







｢彩子さん、あの人って…｣

｢宮城リョータ。アタシと同じクラスの奴でね、ちょっと入院してて今日から学校に戻ってきたみたい｣




彩子さんの簡潔な説明に思わず、なるほど…と声が出る。てことは2年生なのか宮城さんって


こんな人も湘北にいるんだ、なんて考えてたら、｢アヤちゃん…！｣と、私の隣にいる彩子さんを見つけるなり宮城さんはこちら目掛けて一目散に走ってきた

そして目の前に来た途端、急に顔赤くしてモジモジソワソワしだした




｢あのさ！アヤちゃん｣

｢あら、どうしたのよ｣

｢俺がいない間ってさ、その…どうだった？｣

｢別に相変わらずだったけど？｣

｢え、そ、そんな…！｣








彩子さんの容赦ない言葉に、宮城さんは床に膝をつけ、ガーンと効果音が聞こえてきそうなほどショックを受けていた




こんなわかりやすいことある？って感じだけど、入院してたみたいだし、復帰したことに対してなにか声をかけて欲しかったんだろうな…



｢…！｣



そんなことを宮城さんを見ながら思っていたら、パチ、と目が合ってしまった

プチ危機→←羨

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す