お願い、シュートは決めないで。【流川楓】 (ページ12)

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思い出？ページ12

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「あーあ、流石にあれは可哀想だよ」

「俺は悪くねぇ」

流川ってば、女の子に対して｢知ったように語んな、俺の目の前から消えろ｣って冷めた目で言うんだもん、流石に勘違いで絡まれたとはいえ、ね？

女の子も泣きそうな顔でどっか行っちゃったし、流川ファンが減るのでは？

「さっさと帰るぞ」

「はいはい」

女の子の事を深く考えるのはやめ、私の荷物が教室に置きっぱなしだったので2人で取りに来た

「…遠い」

「そりゃね」

私は晴子ちゃんと同じ1組だけど、流川は10組らしいから教室は端と端みたいなもので、部活を見に行かない限りは学校で会うこともあんま無さそう

晴子ちゃんと部活見学行ってなかったらこうして再開してなかったし。

そして基本流川は無口なので、特に会話が弾むことも無くただただついていけば、1年生用の自転車置き場に流川の自転車が停められていた

「そっか、アンタチャリなんだね」

「お前は違うのか」

「うん、新しいのまだ買ってなくて」

そう言うと流川は鍵を外し自転車を出したものの、乗ることはなく手で押し始めた

「別に乗ればいいのに」

「…いい」

「そっか」

腕辛くならないかなー、と思って言ってみたけど、こうなったら意地でも乗らないと思うからこれ以上は何も言わなかった

校門前で、特に女子生徒と出くわしたらめんどくさいことになりそうなのでそそくさと出てきて、私の家の方面へと歩く

「なんか懐かしいね、この感じ」

「…ｵｳ」

「あれ思い出すわ！流川が1人でキョロキョロしてた話！」

「…お前歩くのスゲー遅いから」

「だからあの時筋肉痛だったんだって！」

流川足長いし、元々よく置いてかれそうになってたんだけど、あの日は特に酷かった

当時私は筋肉痛でいつもより歩けなかったのにも関わらず、気づかないままスタスタ行っちゃうから、凄く距離空いちゃって、10メートルくらい離れてから私が隣にいないことに気づいたんだっけ？

今ではもう笑い話にしかなんないけど

「あの時すごい悲しかったんだから、もう置いてかないでよね、流川」

「…なんで苗字で呼ぶ」

「付き合う前の呼び方に戻しただけだよ」

「…気に食わん」